第1章 第9話
「お、あったあった。」
凍らせた死体の塊発見。変わりないな、良かった。
「思ったより多くないか、量。吐きそうなんだが。」
「まぁ、40人ぐらいの量だな。」
「口から後頭部まで貫通してるし、グロすぎだろ。本当にあいつら連れてこなくてよかった。お前は良く平気だな。」
「まぁ、流石に初っ端は吐いたけど、こういうの見たの久々で驚いたってくらいだし。」
「?まぁ、いいや。あんま聞かないほうが良さそうだし。どこに運ぶんだ、この人達?」
考えてなかったな、どこにしよう。公園とかに埋めるかな。
「公園とか?」
「あぁ、いいんじゃないか?じゃあさっさと運ぶか。」
「重い。」
重い、本当に。
「氷のお陰で滑るからまぁ若干楽だけどさ!」
「目の前まで来たのに遠く感じる。」
「あ、電理、閃いたぞ俺。」
「?」
「スキルにさ、身体強化ってあったからそれ使えばいいんじゃね?」
「お前天才か?てかお前も持ってんのか身体強化。よし、やるぞ。」
「「身体強化!」」
スー
「滑る滑る。イエーイ。」
このテンションで死体運んでんの不謹慎な感じする。
「もう着いたよ、早。最初から思い付いてたら完璧だったな。」
「なぁ、刹那。身体強化してたら穴掘るのも楽なのでは。」
「お前天才か?」
「出来たー!」
「ちゃんとした墓にしたいけど墓石がないからな。それにこの人達の名前も知らないし。」
「しょうがないな。この状況じゃ全部妥協しながらやってくしかないし。」
スーパーにも交番にも人がいないしな。思ったより終わってんだよな、今の状況。
「カァーーー!」
「「へ?」」
聞いたことあるなー、この声。鳥来た。
「危なっ、クソ鳥め。」
「おいおい、刹那何だあいつ?」
「え、あの鳥見たことないのか?」
「ないから聞いてんだ!」
モンスターって場所によって出てくるやつ違うんだ。知らなかった。
「で、何なんだよあれ!」
「さっき見た頭貫通死体の原因。」
「あー、なるほど。あのヤバそうな嘴で貫いてるのか。怖っ。刹那、お前剣は持ってきたよな?」
「警棒だけだけど。」
「は?」
「おいおいおい、こっち来やがったぞ!」
「逃げろ逃げろ!」
はぁ、死ぬかと思った。建物の中って案外バレないんだな。で、
「剣って何?何で野球のバット入れから剣が出てくんだよ。」
「縁奈の装備作成のスキルで作ってもらったんだが、お前の分忘れてた。お前も初日に避難所に居たら良かったのに。」
「無茶言うなよ。てか装備作成のスキルなら俺も持ってるぞ。」
「まじかよ!ちょ、見せてくれ!」
「装備作成。」
うおっ、なんか出た。ステータスみたいな青いウィンドウ。こういうやつの方がまだ中世ファンタジーっぽいよな。…前言撤回。
装備作成
・ピストル
・サブマシンガン
・アサルトライフル
・スナイパーライフル
「作れるものが現代的過ぎるだろ。銃って。」
「縁奈のと全然違うな。まじで違う。」
「そんな違うのか?」
「縁奈のは剣、盾、防具、手榴弾だったな。」
「確かに全然違うな。けど一個だけ変なのない?」
手榴弾って、スキル作った人のセンスがさ、ちょっとあれだよね。
「どうやって作るんだ?」
「ピストルとか書いてあるとこ押せば作れるぞ。」
ポチッ
「出た。うわぁ、力抜けた感じめっちゃする。」
「出たな。それでもう撃てんのか?」
「鳥めがけて撃ってみるか。」
ドンッ
「出た。安全何とかみたいなのないの?」
「出たな。音うるさいな。鳥死んでないな。他のに見つかったな。やばいな。…連鎖しすぎだろ。」
「くっそ、最悪なんだけどー!」
「逃げててもしょうがないし、迎え撃つぞ。」
「了解!」
「俺が前に出て鳥を抑える、刹那、お前はそこを撃て!」
一応始めて銃扱うんですけどね、反動とかよくわかんないし、少しは配慮してよー。当たっかなー。
「うし、来た!」
電理、大丈夫かあれ?真っ直ぐ突っ込まれてるけど。おー、剣で嘴を下から貫いてる。すげー!
「じゃ、俺も撃ちますか。」
ドンッ
「やっぱ音うるさっ。」
カンッ
「?…弾かれた!?」
「おいおい、嘘だろ!?仕方ない、雷魔法!」
「カァーーーー!」
「あと5羽か、魔法使ってたら体力持たねーよ。おい刹那、なんで弾かれた?」
「狙いミスって嘴に当たったんだが思ったより硬くて弾かれたっぽい。なんか狙いミスっても確実に殺せるアイデアないか?」
「ゲームの属性弾みたいなのはできないのか?氷魔法を乗せたりとか。」
あぁ、よくあるやつね、ロマンあるよな高速で飛ぶ魔法弾とか。弾の周りに氷魔法を付けたらできるかな。
「やってみる、電理!」
「ちょうど鳥が来た、やるぞ!」
さっきと同じように剣で下から貫かれた嘴を撃つ!
ドンッ
「命中!上手すぎだろ俺!」
「弾かれはしたが鳥の表面を命中したところから氷が覆っていく!」
「出来た!魔法弾だ!」
この感じ、脚とかに撃てば多分足止めにも使える。サポートも攻撃も出来るな便利ー。
「ナイスだ、刹那。今の調子であと4羽だ、やれるか?」
「もちろんだ、任せとけ!」
ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ
「勝ったー!けど疲れたな。」
「分かる。」
「スキルの使い過ぎで体力がやばい。」
「用事は済んでるし、帰ろうぜ。飯食いたい、いつの間にか夕方だよ。」
「だな。というか昼飯も食ってないからな。お腹空いた。」
「ただいまー!」
「あ、お帰り。刹那ちゃん、電理。」
他のメンツは元気そうだな。その元気分けて欲しい。
「用事は終わったの?」
「あぁ、終わったぞ。」
いつの間に説明してたんだ、電理?あれか、あの飯食ってた時か。飯に夢中になってて何も話聞いてなかったんだよな。
「そっちはどうだった?まぁ、一日で見つかるとは思ってないから期待してないけ
「見つかったよ。」
「「まじかよ。」」
「うん、見てみてマップ。」
「あー、この辺遊園地の2個先の交差点の辺りか。」
「またあっちかよ。」
俺また遊園地とここを往復することになるのでは。よくわからんムーブしてんな。
「後で詳しく話してくれるか?俺ら今腹減りすぎて死にそう。だから先に飯食べたい。」
「タ、タイミング良かったですね。ち、ちょうどご飯が炊けたところですよ。」
ナイス。やっぱお米は日本人のソウルフードだからな。食わないと始まらない。
モグモグ
「美味しい、2日目のカレーって何でこんなに美味いんだ。」
「喉詰まらせないでよー。」
「了解。」
モグモグ
「ぷはぁー、美味しかったー!ご馳走さまでした。」
「今日も良い食いっぷりだね、刹那ちゃん。」
「連理も俺に負けず劣らずってぐらい食ってんじゃん。」
「まぁそうなんだけどねー!」
元気すぎだろ、連理。
「はいはい、仲良しなのはいいが会議するぞー!」
「ういー。」
「今回の議題は例の建物への移動作戦の立案と、お互いのスキル把握だ。」
「はーい!」
「何だ連理?」
「スキル把握ってどういうことですかー?」
「今日スキルの把握が出来てないせいで危うく死にかけたんだ、縁奈の剣を刹那がもらってなくてな。」
「え、そ、それって刹那さんが剣術スキルを持ってないから渡してないんですよ?」
剣術?何だそりゃ?
「ほら、刹那の顔を見てみろ、アホ面だろ?あれ何も分かってないぞ。」
「ほ、本当だ。」
あれ、流れるようにディスられた?
「簡単に言うと報連相が上手くいってないせいでそれぞれの持つお互いについての情報が食い違ってるんだ。だからスキル把握だ。」
本来なら一番にしなきゃいけないことなんだろうけどスキルとかの概念がよく分かってないからスルーしてた問題だな。
「というわけでスキル名と具体的に何ができるのか分かってることをお互いに発表しよう。よく分かんないのは一旦保留で。」
長くなりそー。まぁ、重要な情報だし長くなるのは我慢するしかないな。
3日目「武器」
作者「戦闘描写ムズすぎる」
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