第1章 第6話
「痛かったなー。」
「ね。あんなことになるなんて。」
未来さんと握手したら熱くて痛かったんだよな。
「スキルのせいだろうねー。氷と炎だからさ。」
「体温まで変わってるとは思わなかったわ。ま、これについては要相談だな。んで、分かったことって結局何なんだ?」
今現在俺たちは避難所に移動中だ。それで今はスキルについて聞いているところだ。
「まず、スキルっていう名前は私達がつけた名前じゃなくてもとからついてたものなの。」
「どうやって見っけたんだ?」
「それはあの地震の少しあとのことなんだけどね。避難所にモンスターの群れが攻めてきたの。」
なんと、そんなことがあったとは、多分逃げてきたやつの誰かが気づかずに連れてきちゃったんだろうな。
「それで、撃退するときにスキルが?」
「そう。さっき言った幼馴染、和賀電理っていうだけどね。その電理が急に雷を手から出し始めてね。」
「え、そんなあっさり?俺なんかスキルなんかあるの分からんかったから死にかけてたんだが。」
「皆も、?って感じだったんだけどステータスって言ってみろとか言い出してね。それで試しに言ってみたら髪の色が変わって、スキルが使えるようになったの。」
ステータス?ゲームのか?よくわからんな。なんで襲われてるのにそんな悠長なことを?
「なんでステータスなんだ?」
「小説によくあるんだって、こうやって急にモンスターが現れたときにステータスって言うと特殊能力に目覚めるの。」
なるほど、理解。だがよく小説の内容を実際にやろうと思ったな。俺も小説の主人公みたいに魔法使いたいなーとは思うが、真似はしないぞ。
それに未来さんと同い年だろうから高校生だよな。まだ厨二病やってんのか。まぁそれで命が助かってるからなんとも言えないけど。
「そのステータスってのでスキルについて見れて、他のことも分かるってことか。」
「うん。大体そんな感じでいいと思うよ。詳しくはあとで電理に聞いて?私はあんまりよく分からなかったし。あ、けどもう一個だけ理解できたのがあって、それは必ずしも皆がステータスを見れてスキルを使えるわけじゃないってこと。」
選ばれしものってことなのか。なんかかっけえな。俺も電理とやらにつられて内なる厨二病が発症しそうだわ。
「避難所にはステータスを見れる人が私を入れて5人いるの。皆いい人たちだからきっと仲良くなれると思うよ。」
「それは良かった。それにしてもステータスか、考えもしなかったな。どんななのか今見てみようかな。」
「いいんじゃない?自分の力を知っておくのは必要だと思うよ。」
「んじゃ、ステータス!」
ランキング
・久遠刹那……10047位
スキル
・氷魔法 B
・鑑定 B
・装備作成 C
・身体強化 C
現在地
・大阪、京都、奈良、3重複合ダンジョン
クリア目標
・ダンジョン内の全モンスター討伐
・(未開放)…モンスター討伐(190 /100000)
……なんか思ってたんとちゃう。こういうのって普通レベルとかSTRとかが見れるんじゃないのか?もはやステータスではないのでは。それにランキング10000番台ってなんか微妙。
「ランキング10047位ねぇ〜。」
「それでもすごいんじゃない?多分。私も今は8000位とかだし。」
「うーん、まあいいか。思ったよりスキルがあったのが分かっただけまし。」
ただどうやって使うのかが分からん。字面からなんとなく想像できるが今までちゃんとしたスキルの使い方なんて出来てないからな。
「スキルってどうやって使うんだ?」
「念じたら使えるみたい。」
「え、念じるだけ?今までかっこよさげなこと言ってたの意味なかったのかよ。なんかちょっと恥ずいな。」
意味ないんだったら今までの厨二病判定食らいそうだな。電理さんとやらにはバレないようにしないと。仲間認定されそうだし。
「けど何か言いながらの方が想像しやすくて上手くスキルが打てる気がするよ。」
意味はあったらしい。良かった。
「というか、髪の色ってどういうふうに決まってんの?」
「自分のスキルの属性?みたいなので決まってるんじゃないかって電理は言ってたよ。炎なら赤髪、氷なら白髪みたいにね。ちなみに電理は雷だから紫髪だよ。」
なるほど、思ってたよりわかりやすいな。
「あ、見えたよ、避難所。」
「ようやくか、お腹空いて死にそー。」
「ははっ、ちょっとまっててね。すぐ料理作っちゃうから。」
「え、未来さんが作ってくれんの?」
「うん、料理は得意だからね。」
美少女のお手製料理とか最高かよ。たっのしみー!
ガチャッ
「戻りましたー!」
「お邪魔しまーす。」
「おお、戻ったか。」
誰だこのイケメン。髪が紫……
「お前、もしや和賀電理か!」
「あ?初対面からお前呼びとは失礼極まりないな。未来、どこでこのクソガキ拾ってきた。」
「クソガキじゃないよ。久遠刹那ちゃん、私のこと助けてくれたのよ。」
「ならお前呼びは許してやろう。」
なんだコイツ生意気な。腹立つな。それに俺と喋り方が被ってるだろうが。まあ、お前呼びは俺が悪いけど。
「だが飯は抜きだ。」
「俺が悪かった、謝るよ。だから話し合おう、な?」
「お前が下で、俺が上だ。分かったな?」
「了解!」
「よし。」
「急に怖いよ、二人共。」
第一印象最悪なんだが。よくこんなんと幼馴染やってられるな未来さん。
「未来、どんぐらい食料持ってこれたんだ?」
「多分、10日は保つってぐらい。」
「十分だな、それじゃ早速飯作ってきてもらっていいか?」
「オッケー。」
あー、唯一の味方がいなくなってしまった。
「さてクソガキ、お前には色々と事情を聞かせてもらおうか。バリアが発生してからどうやって生き延びてたのか気になるしな。」
「了解!」
飯が食えるんならなんだっていいから少し我慢するとしますかー。
「お、お前は!?」
次から次に何なんだよ。
「ん?どうした?」
「そこの白髪のに言ってんだ!」
「あ、俺?」
「そ、そうだ!お、俺は見たんだ!す、すごい量の鳥が襲ってきてたのに、そこの白髪が一人だけ生きてたのを!ありえないだろそんなの!きっとお前が黒幕なんだろ!」
「クソガキお前どういうことだ?」
???どういうこと?俺も意味がわからんのだが、こいつは最初の鳥事件を見てたってことなのか?だとしたら俺が凍らしたのも見てるよな?目が節穴なのか?
「俺がスキルで凍らしたんだよ。」
「スキル?なんのことだ!は、話を逸らすんじゃねぇ!」
「こいつ、いつここに来たんだ?」
「今日の朝だな。…あぁ、だからこいつスキルのこと知らないのか。実演してやろう。おい、お前。」
「ん?」
バチバチバチバチ
「な、何だそれ!?」
「これがスキルだ。こうやって普通じゃありえないことができる。これがあったからこのクソガキも鳥の軍団に襲われても生き延びられたんだろう。」
そゆこと。電理完璧だよ、その説明。下がり切ってた好感度がいきなり急上昇してってるわ。雷魔法?もめちゃくちゃかっこいいし。
「ちっ、く、くそっ!」
ドタドタドタドタ
「ナイス、電理。」
「ふん、スキル持ちだったら鳥の軍団から生き延びることも可能だ、だからあいつの言ってることは間違っている。そう思っただけだ。邪魔者も消えたことだ、今度こそ事情を聞かせてもらおうか。」
偉そうな態度だけは変わらんのやっぱ腹立つなー。けどまぁとりあえず
「了解!」
2日目「到着」
作者「ステータス書くのだるいからもうやりたくないです。」
感想やらコメントやらなんやらどしどしお願いします。