記憶の中の旅日記「ラブ・アフェアは横浜で♪♪」
♪夜明けの街で すれ違うのは 月の残骸と 昨日の僕さ♪♪
霧深い東京湾の情景。
ボォー、プォー♪♪
ちょっと視界不良なのかいろんな船がいろんな音色で霧笛を鳴らしてる。
う~ん、風流だなぁ。
横浜大桟橋辺りから眺めると、これまた絶品。
この霧笛、きっとこうなんだろう。
「私はココにいますよ、気にしてくださいね。お互い無意味な衝突だけは防ぎましょうね。お願いしますよぉ~」
「おっ、小っちゃくて可愛い船だぁ、わかったよぉ、チャンと気付いてるよ。安心しなぁ~」
なんとなくほんわかこんなやりとりなわけだ。
ところがところが、快晴視界良好であるにもかかわらず、やいのやいのピーピープープーポーポー霧笛を鳴らしてる船がいる。
「あの~、私ですけどぉ!覚えてるよね。皆さん元気??私はすこぶる元気よぉ~!」
このすさまじいまでの自己顕示欲&マウンティング。
これはもう僻なのでしょうな。
「ハイハイ、判ってますよ。だから何か??」
う~ん、なんかウザイ!
私はこんな人を無敵の人、いや、霧笛の人と命名することにしました。
これインターネットスラングではありませんよ。
今思いつきました。
ところで、この霧笛の人達、なんか仕草がハエに似てるんだよね。
公園や街路地で出合ってもさして気にならないけど、例えば真夏の夕暮れ、快適冷房に閉ざされた部屋の中で飛び回られたり両手をスリスリされると、何ともウザイ。
しかもさあこれから団欒ディナーなんてタイミングだったらなおさらだ。
ハエ叩きの出番をグッと我慢し、窓を開け、ホイホイと追い出そうとするんだけど、結構この手のハエに限ってしぶとかったりもする。
追い回しても妙に繊細に飛び回る。
まさにこれまた霧笛のハエと命名してあげたいほどなのだ。
そういえば子供の頃、ハエを生け捕りにして底に少しだけミルクを残した牛乳瓶に閉じ込めて遊んでいた。
それはもう美味しそうにチュパチュパとミルクをすすっている。
満腹感に浸ってるハエ、程なくして、外から捕まえてきたカマキリをポイッと投げ込んでそれをジーッと眺めていた。
まるでスプラット映画のように恐怖におののくハエ、なんとも悪趣味の極みだったのかもしれないが、食物連鎖をしっかり実行したまでなのです。
他人事のようだが子供ってホントに残酷なんだけど、ハエ叩きで瞬殺するほど残虐ではないよね。
さてさて、中華街を歩いていると、まるでこの街のテーマ曲であるかのようにサザンの名曲が流れてきた。
♪月の残骸と 昨日の僕さ 二度と戻れない 境界を越えた後で 嗚呼 この胸は疼いてる♪♪
できすぎだよな、このタイミング。
♪大黒ふ頭で虹を見て♪
♪シーガーディアンで酔わされて♪
なるほど、だから…
♪愛の谷間で溺れたい~♪
なのかぁ~!
この主人公、愛の谷間と言うよりも本能と理性の谷間で溺れたいんだろうな、きっと。
そして、そんな情況に身を漂わせることがたまらなく好きなのだと言いたいわけだ。
とはいえこの辺りでの秘密のデートってのはないよなぁ。
目立ちすぎだろう。
いやいや、違うな、これも。
きっとこうなんだろう。
オトコって、子供の頃から残酷でワガママで、ヘンなプライドにこだわりカッコばかり付けてるわりにはスキだらけ、それでいてドリーマーで繊細で、いくつになっても追い詰められてはハチャメチャな行動しかできず、結果後悔ばっかりしているそんなイキモノなんだろうねぇ!
まさしくオレがそうだったような。
結局本能でしか生きられず、言い訳けは全て後付けの人生だった。
ラブ・アフェア(情事)の中にはそんかグロテスクな人間の本能と微かな理性がせめぎ合っているのかもしれない。
まあ、懐かしくも痛痒い思い出ということか。
あれ?
そう言えばこの秘密のデート、中華街には立ち寄らなかったんだぁ!
まあ、確かにせっかくのロマンチックなシチュエーションが台無しにはなってしまうんだけどね、冷やし中華で仕上げてしまうと。
とはいえハラも空いたし、こちらの本能もまた抑えられない。
結局のところ甘酸っぱいラブ・アフェアなんて、夢のまた夢なんだってことだよな!
(横浜ベイエリア、盛夏)




