表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅の記憶 さすらい雲   作者: 報苔京
43/66

記憶の中の旅日記「秋田美人捜索活動」

 みちのく秋田の街に降り立った。

 ここの3大名物といえば、きりたんぽ鍋やしょっつる鍋、竿燈祭り、そして秋田犬、いやいや秋田美人・・なのかな?

 駅を出て海岸沿いのビジネス街に歩きだす。しかし期待とは裏腹にその秋田美人どころか人の気配がない。

 時々見かけるのは老人と幼児だけ。

 呆れ気味に目的地に向け早足になると、前を歩く老婆が歩道の段差につまずいてよろけた。

 大丈夫ですか?

 手を差し出すと、膝を擦りながら人懐っこく微笑み返した。

 きっと昔は秋田美人だったのかな!

 キリッとした目鼻立ちの老婆ではあった。

 少しの間並んで歩く。

 秋田美人のトップクラスは都会に出稼ぎ中。

 2番手は夜7時以降に歓楽街川反界隈を出没するので行ってみたら?なのだとか。

 なんとも粋な老婆の説明で話がはずんだ。 


 とはいえ、なぜ秋田美人なんだろう。

 まず考えられるのは小野小町伝説。

 小野小町は平安時代の女流歌人。

 彼女はクレオパトラ、楊貴妃と並ぶ言わずと知れた絶世の美女。

 諸説いろいろあるが、生まれは秋田の湯沢町らしい。

 なぜ彼女が美女なのかは神秘的な伝説が多い。

 女官として青春を過ごした平安時代の京の街で、言い寄ってくる男たちにまったくなびかなかった。

 夜の床への誘惑をことごとく拒絶するのは、穴がない女なのではないのかと、振られた男どもに揶揄され巷の噂になるほどだから笑ってしまう。

 付け入る隙もなく穴もない。

 だから穴のない針を小町針(まち針)と呼ぶようになったらしいが、これってほんとかいなともう大笑いするしかない。

 それと百人一首の肖像画、小野小町だけは後ろを向いておりなんとも想像欲をかきたてる。

 もう一つは元禄時代のルーツ。

 秋田佐竹藩のお殿様に京の名門鷹司家から嫁入りがあった。

 その彼女もいわゆる京美人だったらしいが、引きつれてきた数百にもおよぶ女官たちも皆美人揃い。

 その後、血族継承も影響してか、この地域に美人家系か増えたのだという説。

 街並みに京風も流行し、全体のレベルもアップしたのだろう。

 これはある程度理解できるかも。

 

 そんなわけで夜が楽しみになってきた。

 ・・・・とまあ、結論からお知らせすると小料理屋を早々に引き上げ2軒目3軒目と出撃したものの、どうも序列4番手くらいまで東京に出稼ぎ中だったみたいなのだ。

 まっ、そんなもんかな。

 きっと銀座や六本木あたりのあの美人たちは、みんなこの街の出身だったんだろうな。

 店を出て、宿泊ホテルまで歩きながら気付いたのは、そういえば4番手以下もお肌美人であることは間違いないということ。

 空気と水とお米が、美人育成に役立っていることは確かなのだろう。

 

 さてさて、最近長旅続きで首が痛い。

 ネットで調べたら良い温泉があるらしい。

 しかも立ち寄りオーケーとのこと。

 強首こわくび温泉かぁ、これは効きそうな名前だ。

        (秋田・川反、水無月)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ