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旅の記憶 さすらい雲   作者: 報苔京
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記憶の中の旅日記「夢なき者は理想なしかぁ」

 日本経済の立役者渋沢栄一の有名な格言。

『夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。』

 幸せになりたければ夢を持て!かぁ。

 この名言はまさしく池江璃花子のためにあったんだなぁ!

 3年前、あのまま若さの勢いでメダリストになっていたら、オリンピック後はテレビに引っ張りダコでチヤホヤされ、違うアスリート人生になっていたのかもしれない。

 逆境が彼女を育て、そして、ご褒美のようにオリンピックは1年延期される。

 まるで池江璃花子をオリンピックの神様が待ってくれているかのような展開だった。

 この感動、もうたかだか一杯飲みに行きたい、自由に遊び歩きたい、そんなチンケな欲望ために、コロナ優先だのオリンピックどころじゃないなんて口が裂けても言えない。

 夢もなく理想もなく信念もなく計画もなく、成果も得られず、自己防衛のための隔離した自分の世界の中だけで、傷つかないように生きようとしているだけなんだから。

 

 埼玉県深谷市から東京飛鳥山へと渋沢栄一を散策する1日を過ごしながら、ふと思いついた戯れ言があった。

 十代はもちろん老いなど知らない。

 二十代三十代は老いが気にならない。

 四十代で老いにふと気づき、

 五十代はそんな老いに抗う。

 六十代で老いをやむなく受け入れ、

 七十代は老いを楽しむことを覚える。

 そして、八十代はどうなるか?

 なんと老いを忘れるらしいのだ。

 まあ、忘れるというよりはある意味自分がいくつなのかもわからなくなってきてるとも言える。

 人生ってホントに上手くできてると思う。

 失敗を恐れず、夢を追いかけることができた、あのキラキラ輝いていた時代こそが物語なのではないだろうか、と思い出にふけりたくなる。

 ただ渋沢栄一は、老いなど関係なく、死ぬ直前まで今の自分ができる夢を設定し追い続けたわけだ。

 であるからこそ、それはもう渋沢の存在、人生そのものが物語ということになる。

 人生という物語は、たとえどんな道程であったとしても、どんな結果であったとしても、後からかたち作られる自分だけの固有の物語なのだから。


「人生」それは人が生きているという物語。 

 

 微かながらモヤモヤした気持ちを引き摺りながら歩いていると、飛鳥山の傍にゲーテ記念館があった。

 ゲーテかぁ、ファウストかぁ!

 なんでこんなところにあるんだろう?

 これはお告げなのかもな。

 「ゲーテ曰く…」ちょいと研究してみるか!

       (深谷→飛鳥山、盛春)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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