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旅の記憶 さすらい雲   作者: 報苔京
21/66

記憶の中の旅日記「これまた運命だな」

 またしても北陸にいくことになった。

 前回は10月。

 そーか、また金沢か~。

 すぐ思いついたのは越前蟹の香箱…コウバコ。

 香箱というのは雌のズワイ蟹で、お腹に赤い卵をたくさん抱えてる。

 11月中頃解禁になり、12月までが旬。

 そうか、食べに来なさいってことか。

 ゆでた蟹の甲羅をカパッと開けると、赤い卵と黄土色の味噌がふんだんにへばりついている。  

 独特の海の匂いを漂わせ、まさしく香箱なのだ。

 次に浮かぶのは寒鰤…カンブリ。

 鰤と言えば出世魚。

 成長するごとに呼び名が変わる。

 ワカシ・ワカナ→ハマチ→イナダ・メジロ・ワラサ→ブリと変化するわけだ。

 さてさて今回の出張、ちょいと遊びの時間も多めにとった。

 日本海の旬を味わい、もうひとつの旬、義経の史蹟である安宅の関を訪ねようと計画していた。しかし、好事魔多し、古都は大雪が舞っていた。

 25年ぶりの大寒波が襲っていたのだ。

 ビニール傘を買い雪道を歩いていると、これも旅ならでは・・・初めての体験をした。

 ドドーンと天が裂けんばかりの雷がなる。

 するとその後にドーンと大粒の雪が落ちてくる。

 ピカッ・ドドーン・ドーンなのだ。

 そのたびに慌ててビルの軒先に逃げ込んだ。  

 これが北陸名物雪雷。

 別名ブリ起こしともいう。

 海の底に潜んでいたブリがびっくりして海面近くに浮いてくる。

 漁民にとっては格好の漁の合図なのだ。

 夜になった。

 雪はその勢いを増していた。

 意を決し、革靴でスケーティングするように、行きつけになった料理屋「五郎八」に向かった。

 老舗の暖簾をくぐり、カウンターに陣取ると、さっそくその旬を注文した。

 脂がのりほどよい霜降り。

 しかもキリッと身が絞まっている。

 地酒手取り川が心地よくジョイントし酔わせた。

 ところでこの「五郎八」、店のキャッチコピーがなかなか粋なのだ。

『おふくろの味が一番。二番目を目指してつくりました』

 雪道を考慮しその夜はほどほどで退散した。


 翌日もさらに雪は増していた。

 交通も大混乱。

 帰り、空港そばの安宅の関に寄れるだろうか。

 えーい、初心貫徹、小松駅からタクシーの運ちゃんに強行をお願いした。 しかし、まあこれも旅の醍醐味。

 飛行機は3時間遅れ、買ったばかりの革靴を犠牲にすることになったのだが、帰れたので、これただけでもヨシとするか・・。

        (北陸・金沢ー酷寒)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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