星は可愛い
「ねね、星綺麗だね」
「ほんとだ。 田舎だから綺麗に見えるね」
学校の登下校中、君は僕の肩を叩いて星を見る。綺麗だと笑う君の笑顔は、星にも劣らない美しさで地上の星が僕の横にはある。
生徒会の仕事をしていたら遅くなってしまったが、君とこうやって星を見て綺麗と言い合えるのならば、悪くない。
「コンビニも歩いて20分のところにあります」
「さらに言うと、スーパーなんて1時間かかります」
「不便だけど、いい所だよね。 こうやって、星が間近に見れて綺麗なんだから」
「うん、横にあると勘違いしちゃうぐらいに綺麗」
君の言う星と、僕の星は違っているだろう。
「ねえ、その星って今どこにある?」
「……? 星は空にあるよ?」
「違う。 横にある星って何?」
君は全てを分かっているような悪戯気な顔をしながら、言ってくる。
「えっと……真横に悪戯気な顔をして、僕を見ている人です」
頬をかきながら、少し照れくさそうに僕は言う。
「悪戯気な顔なんて失礼しちゃうな。 君に恋をしている乙女の顔だよ」
「ほんとだ。 告白をOKされからか、可愛い君の顔があるよ」
「……もう」
あぁ、星がとても可愛いと思ったのは今日が初めてだろう。
ではまた。