漫才「知事になりたい」
二人:
はいどーもー。
ボケ:
子供の頃ってみんな将来の夢がありましたよね。
ツッコミ:
あったね。
自分は総理大臣になりたかったよ。日本で1番偉い人ってイメージでさ。
ボケ:
総理ね。でもちょっと現実的じゃないよね。
ツッコミ:
まあ子供の夢なんてそんなもんでしょ。
じゃああなたはどんな夢だったの?
ボケ:
まあ総理よりよっぽど現実的な、都道府県知事になりたかったよ。
ツッコミ:
いやいや全然現実的じゃないよ?
総理と比べると多少は、ってくらいでしょ。
ボケ:
本当にずっと知事に憧れてたんだよね。
ツッコミ:
あんまり将来の夢が知事止まりの子いなくない?
子供の夢にしては小さいし、大人の夢にしては大きい絶妙なところだよ。
そもそもなんで子供の頃、知事に憧れたの?
ボケ:
まあ何と言っても、福利厚生の手厚さだね。
ツッコミ:
子供にしては安定志向過ぎない!?
そもそも知事に福利厚生のイメージ無いけど。
ボケ:
いやいや、他の職業よりかなり手厚いよ?
よくタダで何回も旅行に行ってるって話題なるじゃん。
ツッコミ:
それは福利厚生じゃないよ!?
視察って名目で行くかなりグレーなやつだよ!?
ボケ:
たまに記者から旅行についてインタビュー受けてるしね。
ツッコミ:
あれは謝罪会見だから! インタビューって言わないで!
あんな神妙な面持ちでお土産話する人いないでしょ。
ボケ:
だから、俺は今も知事になる夢を追いかけてるんだよね。
ツッコミ:
いやいや、だからそんな簡単になれるものじゃないって。
ボケ:
今のところ第一志望は東京で、滑り止めで地元のを受けようと思ってるよ。
ツッコミ:
そんな大学受験みたいなノリなの!?
知事選を併願で受ける人いないからね!?
ボケ:
試験日の朝とか緊張するだろうなあ。
ツッコミ:
だから受験じゃないから! 知事は選挙だから!
ボケ:
「ちゃんと鉛筆も持ったし、それじゃあ行ってくるよ母さん」
ツッコミ:
鉛筆? 知事の試験ってマークシート方式かなんかなの?
ボケ:
「ちょっと待って。はいこれ、合格祈願のお守り」
ツッコミ:
お母さんが優しいのはいいけど、知事は合格って言わないからね? 当選だからね?
ボケ:
「これは知事にご利益のある神社で買ったの」
ツッコミ:
何その神社!?
そんなピンポイントで知事に特化した神様いないでしょ。
ボケ:
いちいちうるさいなあ。
知事になるのってそんなに難しいの?
ツッコミ:
そりゃあ難しいよ。
そもそも、知事になるにはちゃんとキャリアを積まないといけないからね?
ボケ:
ああ、じゃあ知事の附属高校に入るべきだったのか。
ツッコミ:
そういうのもないから!
エスカレーター式で知事になる奴いないでしょ!
ボケ:
もし今から知事になっても、附属上がりの知事達と馴染めるか不安だなあ。
ツッコミ:
そんな外部生には厳しいとかあるの!?
ボケ:
「ねえ、最近外部からうちの県に入ってきた知事うざくない?」
ツッコミ:
なんか女子の陰口みたいなの始まったよ?
ボケ:
「分かるー。なんかうちらの知事の輪に入ろうと必死だよねー」
ツッコミ:
知事の輪って何!? 字面はほぼ知恵の輪だよ?
あと、その感じだとひとつの県にたくさん知事いることなってない?
各都道府県に1人だからね?
ボケ:
あと知事になったらサークルにも入りたいよね。
ツッコミ:
もう知事関係ないじゃん! 大学だからそういうのは!
ボケ:
だって日帰り温泉サークルとかあるでしょ?
ツッコミ:
確かに議員とかは温泉行ってるイメージあるけども!
あれサークル活動でやってるわけじゃないからね?
税金で行って不祥事になるやつだから。
ボケ:
そして知事を四年で卒業して院に進みたいよね。
ツッコミ:
だから大学じゃないって!
なんで知事やった後に大学院に行くんだよ!
ボケ:
いや、大学院じゃなくて衆議院とか参議院とか。
ツッコミ:
あ、国会議院!?
あれのこと院って呼ばないで!?
紛らわしいから!
ボケ:
そしていずれ入閣して、ゆくゆくは総理大臣になりたいんだよ。
ツッコミ:
いや結局お前の夢も総理大臣じゃねえか。
もういいよ。
二人:
どうもありがとうございましたー。




