17 光の妖精女王
(思い出した、洞窟に入った瞬間気を失ったんだ!)
フィオナは祭壇から飛び降り、辺りを見回した。少し離れた所から話し声が聞こえた。
『女神様、起きたかな?』
『見てこようよ。』
『王女様に怒られるよー?』
『大丈夫。王女様は人間とずーっとお話ししてるから。』
『じゃぁ行こう。』
『行こう。行こう。』
(妖精かな?)
声のする方を見ると妖精が3人フィオナに向かって飛んで来た。
『女神様、起きたー。』
『おはよう。女神様。』
『遊ぼうよ。女神様。』
「ふふ。元気だね。何して遊ぶの?」
『んー真似っこしよう。』
『真似っこ、いいね。』
『じゃぁ僕は女神様の真似っこー。』
気づくとそこにはフィオナがもう一人いた。目の色は黄色のフィオナだった。
『私も女神様ー。』
『私もー。』
最終的に3人の偽者が現れた頃にフィオナの後ろから人の気配を感じ、振り返った。
「フィオナがいっぱいだな。」
「マックス!」
思わず抱きついてしまった。
『フィオナ様、一緒に遊んでいただきありがとうございます。』
人と同じ大きさの妖精がマックスの後ろから現れた。
「いえ、私も楽しかったですし。」
『王女様ー。お話し終わったの?』
『王女様ー。』
『終わったのー?』
妖精たちは元の姿に戻り、王女の周りをグルグル飛び回っていた。
『終わったわ。』
ニコッと微笑んだ。
『フィオナ様、記憶は戻りましたか?』
「記憶、ですか?」
『まだのようですね。失礼します。』
王女はフィオナの手を取り、魔力を込め始めた。その魔力はフィオナの全身を包んだ。
魔力がフィオナに馴染んだ頃、フィオナの頭の中に大量の映像が流れてきた。それはフィオナが創世の女神リリアナだった時の記憶だった。
フィオナはリリアナのあまりに壮絶な記憶に気を失ってしまった。
次に目を覚ました時には王宮の自室に戻っていた。
フィオナは流れてきたリリアナの記憶で気になることがあった。リリアナが愛したニックという人がマックスにそっくりだった。ニックもリリアナを愛し、とても大切にされていた。リリアナの感情がフィオナの心に埋め尽くされた。
(ヤバい。この感情に飲み込まれてはダメ。これはリリアナの気持ちで私の気持ちではないの。)
リリアナの感情を記憶ごと頭の奥に仕舞い込み鍵を締めた。
ふぅーと息をつき、フィオナは目を閉じた。




