13 妖精
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フィオナが目を覚まして二週間が経った。体調もすっかり良くなり、歩行許可も出た。
最近はマックスに付き添って貰い、図書室で調べ物をしている。
様々な魔導書を読み漁っても目当ての情報がない。
「この本もダメかぁ」
「『変身術の基礎』って動物にでも変身するつもりなのか?」
マックスは笑いを堪えきれずにプッと吹き出した。
フィオナはギロリと無言で睨みつけた。
マックスを無視して、本を棚へ返していく。
(この瞳の色をどうにかできればなぁ)
フィオナは当初、女神様のことを調べていた。何故瞳がオッドアイなのか知りたかったのだ。聖書によると緑の瞳は生命を司り、青の瞳は死を司る。その二つを持つのは女神様のみである。そしてその二つの目を一度に見たものは一眼で魅了される。
(聖書の話が全て本当だとは思はないけど、どのみちこの目は隠せるのなら隠した方がいいからね。どうやったら瞳の色を変えられるのかな?やっぱりコンラッド様に聞くべき?)
あの謝罪以来コンラッドとは会っていない。
フィオナに内緒で、アレキサンドロスとコンラッドの間で、フィオナがコンラッドを好きになり、コンラッドもフィオナを好きだった場合、正式に婚約の調印をするという契約魔法が行われていた。
コンラッドをフィオナに会わせないために、アレキサンドロスがコンラッドの婚約者候補を血眼になって探しており、顔合わせのお茶会やら夜会やらでコンラッドはとても忙しい。ちなみに国王であるジェフリーはアレキサンドロス側についており、王妃のメリッサはコンラッド側だ。
もちろんコンラッド自身はフィオナのことは諦めておらず、毎日恋文を送ってきている。
「フィオナは瞳の色を変えたいのか?」
「うん。でも難しそうね。できれば魔導具には頼りたくないのだけど」
「方法がないわけではないが⋯」
「知ってるの?」
「ここでは話せないから部屋に戻ろう」
全ての本を棚に戻し、急いで部屋に戻った。
「フィオナは妖精が見えるか?」
「見たことないわ。」
「じゃぁちょっと難しいか。」
マックスは顎に手を当てて考え込むような仕草を見せた。
フィオナはマックスをじっと見つめ、次の言葉を待っていた。その時、マックスの肩に金色の何かがいるのに気がついた。良く見ると小さい人の様な身体をし、背中に透き通った羽を着けていた。白いワンピースを身につけ、その子はマックスの顔を覗き込んでいた。
「可愛い」
フィオナは思わず声に出してしまった。
「えっ?」
マックスはフィオナの視線の先を目で追った。
マックスの肩にいる小さな女の子は2、3度瞬きをし、フィオナを見つめた。
『あら、あなた私が見えるの?』
「はい。あなたが妖精さんですか?」
『そうよ。私は光の妖精のフィンよ』
フィンはニコッと笑顔を向けた。
「驚いた。フィンが見えるんだな。
フィオナ、フィンは俺の契約妖精だ。妖精と契約ができれば妖精魔法が使えるようになる。妖精魔法には瞳の色や髪の色を変える魔法がある」
「本当!?」
「あぁ。ただ妖精は一人の人間としか契約できない。他の妖精を探す必要がある。」
「それって大変なのよね?」
「妖精は属性ごとに神殿を持っている。
その神殿に行けばすぐに見つけることはできるが、妖精は人を選ぶ。神殿まで行けるかは妖精次第なんだ」
「行ってみたい。もし選ばれなくてもやるだけやってみたいわ」
「そうか。
まず、この世界には光、闇、水、火、土、木の妖精がいる。それぞれの神殿に妖精王が祀られている。妖精たちは妖精王に花や食べ物を供にくる。神殿に行ければたくさんの妖精に会え、きっとフィオナと契約してくれる妖精もいるだろう」
「神殿の場所って分からないのよね?」
「光の妖精の神殿がある洞窟は知っている。ただ中に入ったからといって必ず神殿にたどり着けるわけではない。妖精に選ばれなければたどりつけないんだ」
『あなたの魔力はとても心地いいからきっと大丈夫よ』
フィンはフィオナの周りをクルクル飛んでいた。
「ふふ。ありがとう」
『それにあなたは女神様の生まれ変わりで間違いないようだし、妖精に嫌われるはずがないわ』
「ん?どういうこと?」
『妖精はね、創世のリリアナ女神がこの世界で初めてお創りになった生き物なの。そのため、リリアナ様の加護をいただいていて、人の魂を見分けることができ、善人か悪人か見分けることができるの。あなたの魂はリリアナ様と同じなのよ』




