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異世界転生侯爵令嬢は王子に溺愛される  作者: ちる
1 私の婚約者候補は腹黒でした
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10 もう一人の王子 side コンラッド

自室でコンラッドは黒い()()と話していた。


「何でこんなことになったんだ?何でフィオナが死にかけた?」


『オレのせいではない。』


「俺は瞳の色を変えるだけでいいといったはずだ。」


『お前はアレを気に入ったのだろう?闇属性の魔力は人の心を操るのに最適なんだ。今回は上手く行かなかったがな。』


「フィオナは自分で手に入れる。心も体もな。だから俺の邪魔は二度とするな。」

黒い何かをギロリと睨みつけた。


『まぁ何かあったら手を貸すよ。半身殿。』

黒い()()はケラケラと笑ってすっと消えた。


コンラッドははぁ、とため息をつき謝罪の為にフィオナの部屋へと向かった。
















フィオナの謝罪が済むとジェフリーの執務室へと向かった。そこには激昂するアレキサンドロスもいた。


「父上、お待たせ致しました。

マキナム侯爵殿、此度の件、本当に申し訳ありません。私の確認不足により大切なフィオナを亡くすところでした。」


「許さん。」

怒りで握り締めた拳から血が滴り落ち、アレキサンドロスの足元に血溜まりができていた。


「コンラッド、あの指輪はどこで手に入れた?」


(まずい。本当のことは言えないな。何かいい手はないか。)


「あ、兄上の部屋で見つけました。試しに着けてみたら、問題なかったので…。」

頭を下げ、再度謝罪した。


「兄上?コンラッド殿下に兄上が…?」


「コンラッド、この場で兄のことを言うのはいただけないな。」

はぁ、とジェフリーは溜息をついた。


「あ、申し訳ありません。」


「ジェフ?どういうことなんだ?」


「あーこれは国秘である。私とメリッサ、コンラッド、騎士団長、宮廷魔導師団長、侍女長、執事長しか知らない話だ。」


「国秘だと?」


「コンラッドの兄、エドワードは私の子ではあるがメリッサの子ではないのだ。」


「は?妾や愛人がいたという話はしらないが?」


「正妃の子だ。

私は知っての通り、前国王と前正妃の侍女との間に生まれた。その為、腹違いの兄弟の中で王位継承権は一番下であった。そして私は元々王になる気はなかったのだ。だから自分で好いた相手を見つけ結婚し、子供をもった。だがその後、腹違いの兄弟たちが不慮の死を遂げ、私が王位継承権の一位となってしまった。

前国王は妻のラナを私の正妃とは認めなかった。止む無くラナの妹であるメリッサを正妃とすることとなり、ラナとエドワードは王宮内に軟禁されることになった。

ラナは宮廷内の何者かに毒殺され、私はエドワードを逃した。」


「何故前国王は正妃と認めなかったのだ?正式な調印をしていれば認めざるを得ないのではないか?」


「正式な調印はしていたが、ラナは髪の色が黒かったのだ。もちろんエドワードもな。だから教会も前国王に従い、結婚事態がなかったことにされた。もちろんエドワードもいなかったことにされた。」


この世界では黒髪は魔族の象徴であり、黒髪の人間は魔族と思われ忌み嫌われている。王族で黒髪を持った者が生まれた場合、ただちに殺される。


「そういうことか。

エドワード殿下は今どうしている?」


「元気に暮らしていると聞いている。」


「エドワード殿下が今回の件に関わっている可能性はないのか?」


「それはない。

ラナは聖女だったのだ。その子であるエドワードにも聖なる力が受け継がれているそうだ。

聖なる力を持つ者は罪を犯すと聖なる力によって殺される。

フィオナ嬢に手を出すことは出来んのだよ。」


「そうか。疑ってすまなかった。」

アレキサンドロスはやっと握り締めた拳の力を緩めた。


(これで俺への疑いは晴れたな。)

一人ほくそ笑むコンラッドに二人は気付かなかった。


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