第4話 洞窟2
ここからはニャーを消します
「ついてきてくれ、ルイ!」
「いきなり大声出すニャ!耳が痛いニャ……」
と言いつつも素直に付いてくるルイと、俺は横幅5メートルはあるそれなりに広い洞窟を進む。
ん?何か気配みたいなのが…… 。
「……グルル」
「!?」
緑の小さな体躯をした変な奴が、曲がり角から飛び出してくる。
◇◆
──そして今に至ると。
俺は、軽く今までの経緯を思い出していた。まじで怖くて死にそう。くそ、もう相手かなり迫ってきてるし!
棍棒を構えて走ってくる奴を見て俺は身を構えていると「あ、そういえば……」大事な事を思い出した。
完全に戦闘となる前に、鑑定はしておくべきだろう。相手の情報を知るということはそれだけで有利に立ち回れるようになる……と思うし。鑑定!
ーーーーーーーーーー
種属:ゴブリン 性別:オス レベル:16
ステータス
力:100
魔力:30
防御:95
魔防御:65
敏捷:80
器用:25
スキルなし
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お、相手のステータス結構低いな。いやそれでも俺と同じぐらいか……だけどスキルでは上回ってる訳だし、これなら頑張れば倒せそうな気がするぞ!
本当はかなり怖いが──
「俺がやる!戦闘に慣れておきたいし、ルイは少し下がっていてくれ」
「いつでも加勢準備をしとくニャ」
「頼りになるぅ!」
ダッ!
まずは地面を蹴り、相手との距離をゼロにする。相手は最弱と名高いゴブリンだし、冷静にいけば俺に負ける要素はない筈。
そう判断、もとい侮った俺はまるで生まれた頃から知っているかのような無駄の少ない動きで猫パンチを繰り出した。
これは、体術スキルか?凄ぇ…… 。
「グィィ!!?」
だが、奴は棍棒を盾にしてその動きに対応してくる。ステータス的にはほぼ同じだし予想できることだ。このまま殴っても仕方ないし、丁度やつの顔の前が棍棒で塞がれてるのを利用して、俺はガラ空きになってる胴体を狙うことに決める。
普段の俺だったらこんな一瞬の判断なんて出来ないはずだが、これが《高速思考》というスキルの効果なのだろう。俺は振りかぶっていた手を引っ込めて、スキルの恩恵を得て魔法を発動。魔法操作はスキルで既にあるからなのか、感覚的に使い方が理解できた。
魔力は少ないし、スキルレベルも低いからあまり強力なのは放てないが、暗殺術のスキルのお陰で的確に小鬼の心臓……急所を氷の針が穿つ。
「ぐギャァ!!」
ゴブリンは胸を抑えながら崩れ落ち、塵のようになって消えていった。
ピロン♪
レベルが7に上がった!
「勝てたのか……」
戦闘の緊張から抜け出した俺は、魔法に驚く暇もなく、スキルの便利さに感謝しながらルイを見やる。
「やべぇ、今体めっちゃ震えてる。次出てきたらお願いできる?」
「情けない主だニャ、仕方ないニャ〜♪」
スペック的にはほぼ同等のハイスペック猫ルイが、狩猟本能に目を滾らせ嬉しそうに答える。ちょっと怖いが、実に頼もしい奴だ。
それから交代で狩って洞窟を進んでいくと、大きな石の扉が見えてくる。まさにダンジョンのボスとかが中にいそうな扉で、謎の緊迫感に襲われた。
取り敢えず近くまで行く。
「なぁルイ、この中ってどうなってるか分かる?雰囲気的にはボス部屋っぽいが……」
ルイは数秒ほど間を開けて答える。
「知らんニャ。でも、危険察知は反応なしニャ?」
危険察知?あぁ、本能のスキルか。確かにこの中からは何も感じられない。だったらこの緊迫感は何だ?まぁ、これに関してはただ単に俺が緊張してるだけ……なのだろう。
「そうか……」
うーん、しかしどうするべきか。いや、うじうじ悩んでても無駄だよな。周りには何もないから謎解き系とかはなさそうだし。
となれば…行くか?そうだ、もういっちゃおう。それが良い。
「ルイ、行くぞ。いつでも戦えるようにしてくれ」
「分かったニャ!」
元気よく返事してくれるルイに和みながらも、俺は扉に手を当て押す。すると、その扉はアッサリと開かれた。
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