夢での出来事
ある日、目が覚めると大変なことになっていた。
突如現れた怪獣に街が破壊されようとしていたのだ。
さらに驚いたことに、その怪獣は家やビルを踏み潰しながら、
だんだんと俺の家の方へと向かってきていた。
俺はあせった。
「早く逃げなければ!!」
でももう遅かった。
一歩が一駅ほどもあるその怪獣から、
今さら逃げられるはずもなかった。
みるみるその怪獣は近づいてきて、
次の一歩がちょうど俺の家の真上に来る所まできた。
ああ、俺の運命もここまでかと思ったとき、
俺はあることに気付いた。
そういえば、これは『夢』だったのだと。
そのことに気付いた俺は、
たちまちその怪獣と同等の大きさにまで巨大化すると、
その怪獣と戦うことにした。
同じ大きさになってみると、
案外弱そうに見えたし、実際弱かった。
ただ体が大きいのをいいことに、
街を踏み潰していただけのことだったのだ。
だが、俺はすぐには勝たなかった。
おそらく俺のこの姿を見て、
応援してくれているギャラリーがいると思ったので、
見せ場を作って飽きさせない工夫をした。
『最初は押すが、途中反撃を受けてピンチになるも、最後には逆転勝ち』
いつか子供の頃に見た、何かのヒーローものを参考にしてみた。
とてもうまくいった。ギャラリーからは拍手が起こり、歓声が沸いた。
俺は上機嫌になった。得意顔になった。文字通りヒーローになった。
目が覚めた。
途中から夢だと気付いてはいたが、
目が覚めてみるとやはり空しかった。
突然、すごい地響きがし、轟音がした。
俺は飛び起きて窓の外を見た。
そこには夢の中で見た怪獣がいた。
さらに驚いたことに、その怪獣は家やビルを踏み潰しながら、
だんだんと俺の家の方へと向かってきていた。
俺はあせった。
「早く逃げなければ!!」
でももう遅かった。
一歩が一駅ほどもあるその怪獣から、
今さら逃げられるはずもなかった。
みるみるその怪獣は近づいてきて、
次の一歩がちょうど俺の家の真上に来る所まできた。
ああ、俺の運命もここまでかと思ったとき、
俺はあることに気付いた。
そういえば、これも『夢』だったのだと。
そのことに気付いた俺は、
たちまちその怪獣と同等の大きさにまでに巨大化し、
その怪獣と戦おうとしたが、
なぜか今回は巨大化も出来なければ怪獣と戦うことも出来なかった。
俺は家ごとその怪獣に踏み潰された。
目が覚めた。
これも夢だと気付いてはいたが、
たとえ夢でも踏み潰されていい気分はしなかった。
突然、すごい地響きがし、轟音がした。
俺は飛び起きて窓の外を見た。
そこには夢の中で見た怪獣がいた。
さらに驚いたことに、その怪獣は家やビルを踏み潰しながら、
だんだんと俺の家の方へと向かってきていた…。