第08話 大聖堂での思わぬ歓迎
ようやく本編?に入れました。
教会の大聖堂は、色とりどりの宝石をちりばめたような神々しい光に包まれていた。
すたんっ!
その光の極彩色のなかに、オレたちは、文字通り、ひらりと舞い降りた。
「ほら、やっぱり、誰もいないのニャ」
「うん、そうだね」
せっかくの、神々しさあふれる降臨シーンだというのに、観客のひとりもいないとは。
もうすこし、昼近くにすればよかったのか。
「なんか、閑散としてるね」
さびしい異世界デビューに、がっかりしていたときだった。
「こっちだ!大聖堂だよ!」
あわてて、駆け込んでくるシスターたちの姿があった。
お客さん!キターっ!
思わず頬がゆるんでしまった。
だが…
「いいかい!訓練どおりにやればいいんだよ!建物のことなんて、気にするんじゃないよ!思い切り、やっちまいなっ!」
やたらと元気のいい高齢者が叫ぶと。
「「えっ?」」
戸惑うオレたちに向かって、いっせいに攻撃魔法を打ち込んできた。
なかなか、訓練が、いきとどいているらしい。
六人のシスターから、同時に魔法が打ち込まれた。
だが、その瞬間。
オレの目が蒼く光を放った。
凍るような、透きとおった蒼だ。
ちなみに、オレはこの目のせいで、小学校の頃から『きょじゃくたいしつ』に並ぶもうひとつの称号を得ていた。
それは、『カラコンちゅうにびょー』だ。
小学生の頃から『ちゅうに』と呼ばれる理不尽さは、呼ばれた本人にしかわかるまい。
カラーコンタクトは、まったくの冤罪だったので、養護教諭といっしょに眼科に行って証明してもらった。
しかし、事実など、くそがきの前では何の価値もない。
その日から、オレは『ちゅうにってば、マジ目のびょうーき。ヤバすぎぃー!」と、さらにひどい差別発言にさらされることになった。
「…くっ」
まあ、いまは、そんな回想にふけってる場合でもなければ、のんびりオレの目の解説をしている場合でもない。
いっせい魔法攻撃を受けている最中なのだから。
もちろん、今のオレにならかるくかわすことも簡単だった。
しかし、オレの背後には美しいステンドグラスがあるのだ。
オレのせいで、こなごなにされるのは忍びない。
「対抗魔法」
オレの目は、『炎には氷、風には土』と瞬時に判断した。
対抗魔法が撃ち放たれる。
加減を間違えると、目の前の美女シスター軍団を消し飛ばしてしまう。
いくら、問答無用で魔法をたたきつけてくる乱暴者とはいえ、教会を守ろうとしている健気な美人を傷つけるわけにもいかない。
オレは、この数日間の『天界での特訓』を思い出して、「フェザータッチ…」と『魔力の調整』をかけた。
若い美女シスターのぴちぴちボディに向かって、『フェザータッチ』というのも背徳的な感じもしたが、今は集中だ。