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第07話 迫られる決断

かえってよみにくいかも、とおもって、やたらと改行するのをやめてみました。

短い前置き?が続いたので、すこし、書き足して、次回から本編?に入れるようにしました。


昨夜、投稿したのに、結局できていなかったので、今夜は、投稿後にも、確認してみます。



 「わあっ!ライムちゃんだっ! こんにちは!」


 「…セーラちゃんも、久しぶりですニャ」


 どうやら仲良しらしい。


 ここに至って、初めて金髪レオタの名を知った。

 もうすこしバイオレンスな名前かとおもっていたが、意外にかわいい名だった。


 「こ、こほん。ライムはのう、あんな()()じゃが、魔法に関しては、エキスパートでのう。ステータス画面の主任管理者でもあるのじゃ」


 なんと。


 あんな子猫が、役職もちのシステムエンジニニャーらしい。


 『ああ…、オレは、ファンタジー世界に来たんだなあ』と、ようやく実感することができた。



 だが…



 「ライムちゃんはね、精霊だけど…。ボクたち女神の『ジョーシ』なんだよ!」


 よりにもよって、あのちび女神たちの上司だったとは。


 子猫のまわりで『ジョーシ、ジョーシ』と、はやし立てている金髪セーラを見ながら、子猫の苦労が目に浮かぶような気がして、いたたまれない気持ちになった。





 「ライムは、属性をつかさどる女神たちの管理とともに、ステータス画面の設計・管理も担当しておるのじゃが、…このライムを、おぬしのサポートにつけようと思うのじゃ」



 「「えええーーっ!」」



 なぜか、金髪セーラまでいっしょに驚いている。


 「ライムちゃんだけ食べ放題なんて、ずるいっ!」



 まあ、そういうことだろう。



 「そんなにしてもらっていいのですか?」


 この破格はかくのサービスに、恐縮していると、


 「おぬしに、世界をまるごと消し飛ばれされることを思えば、安いもんじゃ…。それに…」


 「ライムも、勉強にニャります。むしろ…、こちらからお願いしたいくらいですニャ。厳密には、ひとつ欠けている()()ですけれども、ほぼ全属性をお持ちですからニャー」


 「…ひとつ欠けてるのですか?」


 「はい…、女神さまがおひとりいなくなったのです。もう、ずいぶん昔のことに、ニャりますが…」


 もちろん、はじめて聞く話だった。

 まあ、聞いたところで、何か変わるわけでもないのだが。



 「ま、まあ…、そういうわけで、ステータス画面のかわりというわけでもないが、ライムをおぬしに同行させようとおもうのじゃが…、どうじゃの?」



 オレは、もちろん、快諾かいだくした。



 「さて、それでは、本題にはいるがの…」


大神さまが、あらためてオレを見すえて言った。


 「すでに、気づいているとは思うが、おぬしは今、生まれて初めて『魔力満タン』となって力が充実しとるはずじゃ」



 「ええ、それはわかります」


 オレはうなずいた。

 これまでの、全身のだるさがなくなり、まちがいなく体が『軽い』のだ。

 力があふれる感覚もある。



 「さらに、おぬしに結びつけられておる『あの家』も、やはり『魔力満タン』状態になっておる」



 オレは、ほっとした。

 また、魔力とやらを吸い取られてふらふらになるのはつらい。

 

 

 「おぬしが、『二度目に』気を失ったのは、いちど全身に満ちた魔力が『家』に吸収されて、再び『急速充電(魔力)』を余儀よぎなくされたからじゃった」



 ここは天界だから、『魔力』というよりも『神霊力』だが、エネルギーとしては変わらないらしい。


 ちなみに、『三度目の』失神は、膨大な魔法を伝授されたせいらしい。

 そのせいで、オレの『魔力保有領域』がムリヤリ拡張されたのだ。


 その拡張した分の魔力も充填じゅうてんしようとしたため、気を失ったらしい。



 「いま、おぬしが元の世界に戻っても、蓄積された『神霊力(=魔力)』は残ったままじゃ。もちろん、一部は封印させてもらうが、それでもかなりの魔法が使える状態で元の世界で暮らすことができるのじゃ」



 ああ…、それは、夢のような毎日になるだろう。


 やるやらないは別としても、オレを苦しめた連中にも復讐ふくしゅうできるかもしれない。

 もちろん、誰にも気づかれることなく。



 それは、とても『いい話』だとおもった。




 「おぬしは、こちらの世界に召還されたのじゃが…」


 その召還は、失敗に終わったそうだ。


 「おそらく、直接的には、あの『一戸建て住宅』のせいじゃろう。狭い『召還の間』にあんな大きな家が入るわけがないからの」


 しかし…


 「より本質的には、おぬしほどの巨大な『存在の器』では、召還魔道士をどれほどそろえようと、具現化する際の魔力が足りるわけがないのじゃ」



 いずれにしても…



 「おぬしが、こちらの世界に残る理由はないのじゃ。また、魔法をさずけたのは、おぬしの食料を大量にもらった。その対価にすぎない」


 だから、それを恩に着せて異世界に残れ…などと言うつもりも、もうとうない。


 大神さまは、そう言い切った。



 「どうじゃ…。おぬし、元の世界に帰るかの?」


 そう問いただした大神さまには、まさしく神の威厳が感じられた。


 ただ…


 「えーっ、お兄さん、帰っちゃうの! あの、おうちも帰っちゃったら、ボク生きていけないよ!」


 そのかたわらで大騒ぎしていた女神が、いろいろ台無しにしていたが。






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