第03話 大神さまが教えてくれた驚愕の事実(2)
なかなか長く書けなくて、今回もみじかいです。
幼い頃から、オレは、とにかく、疲れやすかった。
小学校に入学したときも、ぴかぴかの一年生たちが、本能むき出しで教室を駆け回っている間、オレは、保健室で体を休めていた。
そんなオレをあざわらうように、クラスのけだものたちは、オレに『きょじゃくたいしつ』の称号を与えていじめた。
しかし、オレには、くやしいと思う気力すら残っていなかった。
とにかく、死体のように、力なく保健室のベッドに横たわっているしかなかった。
オレにとって小学校とは、保健室のあまり衛生的ともいえないベッドそのものだったわけだ。
だが、まさか、その原因が、『庭付き一戸建て住宅』」だったとは!
しかも、大神さまが言うには、この家は、ふだんは亜空間に収納されて、その存在を隠し通すことができる魔道具だという。
オレは、知らず知らずのうちに、この『一戸建て』に自分の人生のすべてを貢がされていたのだ。
そもそも、どうして、『魔法』などおとぎ話でしかない日本で、自分が、でかい家に命を削られながら、暮らしているなんて気づくことができるだろう。
「なんとも、気の毒なことじゃて。おぬしの暮らしていた、魔素の薄い世界で、あの巨大な魔道具を四六時中維持するなど、おとなでも至難の業じゃろうに…」
大神さまは、オレの顔をじっと見つめて、しみじみと言った。
「よくぞ、生きておったものじゃ…」