第02話 大神さまが教えてくれた驚愕の事実(1)
話の内容がわかりにくくないか、とても、心配です。
「災難じゃったのう…」
ようやく目がさめたオレに、『自称、大神さま』は言った。
なぜか、白のジャージ上下を着ている。
そろいもそろって、体育会系の神さまたちなのだろうか。
「『自称』じゃないんじゃが…。まあ、とにかく、ちび女神たちは、おぬしに『お礼』がしたくて、大サービスをしたわけじゃ。もちろん、大サービスというのは、ありたけの魔法を伝授したことであって、おぬしに『馬乗り』になったことではないぞ…」
「…『お礼』ですか?」
『馬乗り』ということばには、さりげなく気づかないふりをして、相づちをうった。
しかし、オレが熟睡してる間に、あのコたちぜんいんが、オレに『馬乗り』になっていたというのだろうか。
オレは、間の悪さに、ひそかに心で泣いた。
それにしても、『お礼がしたくて…』と言っていたが、いったい何の『お礼』だというのだろう?
「ああ…、そうか。まず、そっちから…かの」
大神さまは、なるほどとうなずいた。
「それでは…の。ちょっと、おぬしの後ろにあるものを見てくれんかの」
「後ろ…ですか?」
オレは、振り向いた。
そこには、『庭付きの一戸建て住宅』があった。
テレビのCMにでも出てきそうな高級住宅だったが、神界の荘厳な景色のなかでは、ちょっとみすぼらしい。
「家…ですか?」
「まさしく、家じゃの。その家をみて、何か気づくことはないかの」
「ああ…」
これは、すぐに合点がいった。
家から、透明の管が(くだ)伸びていて、オレにつながっているのだ。
「…エクト○ラズム?」
「若いのに、ずいぶんと、なつかしい言葉を知っとるのう」
大神さまが、どこかうれしそうに、うなずいた。
おぬしとは、一度じっくりと話してみたいもんじゃな…などと、ぶつぶつ言いながら解説してくれた。
「まあ、『魔力の供給線』ってところかの。あの家にとって、おぬしは、『電源』のようなものということじゃ」
「オレが、『電源』ですか?」
ふと、『自家発電』という隠喩を想起したが、この場合は無関係だろう。
「ふむ…そうじゃ。おぬし…、幼い頃から妙に疲れやすかったりしたことはないかの?」
「…えっ!」
オレは、息が止まるほど、驚いた。
それは、オレには、あまりにも、思い当たるものだったから。
もちろん、『自家発電』の話ではない。