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お嫁さん&魔物さんといっしょに、ムテキな異世界生活  作者: 法蓮奏
ミルフィーユ(シャーベット王国)編
19/631

第19話 暗部登場



 街道をひたすら走っていると、ちいさな森が見えてきた。


 街道は、森のなかに続いている。

 森を切りひらいて、街道を通したらしい。



 「そろそろだな…」


 「そうっすね…」



 すでに運転は、ケンイチさんに代わってもらっている。

 助手席も、いまはケントさんだ。


 後部座席に移っても、オレの隣はあいかわらずセーラだった。


 食べ比べでもしているのか。

 三袋目のポテチに手をつけると、首をかしげてはぶつぶつ何か言っている。



 「ほんとうに、ひとりで大丈夫か?」


 「はい、たぶん…」


 「なんだ、頼りねえな」


 「なんとかなると思いますニャ。それに、ジュンしゃまには魔法の訓練が必要ですニャ」


 「うーん、…訓練に使う相手じゃねえんだが」


 「…ですよね」


 オレも、そう思うんだけど…


 「多少の手ごたえがないと、訓練になりませんのニャ」


 自信満々のライムに、うなずくしかなった。



 森に入っても、街道は道幅も路肩もそれなりに広かった。

 だが、用心ためにスピードは落としていた。


 「…あったっすね」


 「ああ…、大司教のばあさんの言うとおりになったぜ」








 

 教会の前で、オレたちを見送りに来た大司教ばあちゃんは、最後にこう言っていた。


 「アタシは、今回のミルフィーユ領の件も宰相のしわざだと思ってるのさ」


 そもそも、こうしてセシリアが王都から追放される。ちょうどその日に、ミルフィーユ領の情報が流れてきたわけだ。


 「あわててミルフィーユに向かうあんたたちには、ちょっとした『待ち人』がいるかもしれないねえ」


 

 「ああ、ちげえねえな」


 ケンイチさんも気づいていたようだ。








 大司教ばあちゃんの忠告どおり。

 目の前の街道は、横倒しにされた数本の太い木でふさがれている。


 じつは、大神さまたちの魔改造のお陰で、このまま突っ切っても問題ないらしい。

 やたらと強固な結界がワンボックスカーに張られているのだ。

 大木ていどなら、軽くね飛ばしてしまうという。


 だが…


 「とにかく、訓練あるのみですニャ!」

 

 ライムの掛け声とともに、道を塞ぐ木の手前で停車した。



 オレは、ゆっくり車から降りた。

 頭の上には、ライムが鎮座ちんざしている。



 「なかなか強固な結界が張られておりますゆえ、攻めあぐねるかと思っていたでゴザルが…」


 「…助かったでゴザるよ」



 大木のそばまでやってきたオレたちは、いつの間にか。黒ずくめの頑強がんきょうな体格をした男たちに囲まれていた。







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