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お嫁さん&魔物さんといっしょに、ムテキな異世界生活  作者: 法蓮奏
ゼリー帝国(カルシウム大陸)編
166/631

第166話 家族だから

ためしに、あまり行間を開けないで、ふつうに書いてみました。


 

 すでに、帝都には、皇帝がダンジョンを制覇せいはしたという知らせが、届いていた。オレたちが、ダンジョンから戻ったときに、すぐに伝令を走らせたのだろう。


 ダンジョンだから、『祝制覇ムード?』とでもいうのだろうか。

 街なかが、異様な活気であふれていた。すでに、酒盛さかもりを始めているような、気の早い連中もちらほら見受けられる。


 

 近衛このえの子たちが随行ずいこうしていたお陰で、貴族専用門から、ドライブスルーで帝都に入ることができた。


 しかし、もし、助手席のチャイルドシートに鎮座している皇帝さまを見られたら、祝福しようとコーフンしている民衆に、車を力づくで停められてしまうかもしれない。さすがに、民衆を跳ね飛ばすわけにもいかないし…。

 ルネちゃんには、亜空間のお部屋に隠れてもらって、車を城へと走らせた。


 『走る鉄の箱』に、ひとびとは目を丸くしていたが、近衛に囲まれていたお陰だろうか。それほどの騒ぎにもならずに、城内にたどり着くことができた。




 「こっちだ!」


 ルネちゃんが階段を駆け上っていく。おじいちゃんとやらが、すぐ目の前にいると思うと、気がくのだろう。

 オレも、近衛の子たちも、走って後を追った。

 

 おじいちゃんの部屋なのだろう。


 背伸びをして、ドアノブに手をかけていたルネちゃんが、扉の向こうに消えていった。いよいよ、おじいちゃんとの対面だ。これで、『ルネちゃんと薬草を探そうミッション』もぶじにクリアとなるだろう。



 そんな感慨かんがいにふけりながら、部屋の中に入ったオレたちを待っていたのは、喉元のどもとに剣を突きつけられたじいちゃんの姿だった。

 

 ルネちゃんは、部屋の真ん中で、『エリクサー』を握りしめていた。何が起きているのか、とっさに理解できないのだろう。


 「なにをしている!」


 後から入ってきた近衛の子が、剣に手をかけようとした。目の前で、病人が剣を突きつけられているのだ。いっしゅんの判断としては悪くはなかった。


 しかし、それを待ち構えていた大男が、扉の横に潜んでいた。剣を抜こうとする少女の腕に、大剣が振り下ろされる。


 

 かきぃーーーーーん!



 オレは、結界を張った腕で、振り下ろされた大剣を弾き返した。美少女の腕を切り落とそうとするなど、許すべからざる愚行ぐこうだ。


 弾かれた剣の反動と、驚愕きょうがくで、大男が体勢を崩す。

 オレは、そのまま、その腕で大男を、殴り飛ばした。もちろん、めちゃめちゃ加減したけど…



 どぉーーーーーーん!



 「ほう…」

 

 オレは、素直に感心した。



 大剣ごと壁にたたきつけられた大男が、がっくりとひざをつきながらも、意識を保っていた。両腕をクロスして、オレのパンチを受け止めたのだ。背中を壁に打ち付けてワンバウンドしたのに、大したものだ。

  

 「くっ…、バケモノかよ…」

 口ん中が血だらけだぜ…、そういいながら、ぺっと床に血を吐いた。

 汚いやつだ。誰が、お掃除すると思ってる。あとで、こいつに自分で掃除させてやる。


 「こんなにかわいい女の子の腕を切り落とそうとしたんだ」

 「とうぜんの報いだ…、それに…」

 オレは、きっぱりと言ってやった。


 「お前みたいな馬鹿でかいやつに、バケモノ呼ばわりされる覚えはない。お前こそ、オークさんの仲間だろう」

 こいつは、3メートルくらいありそうだった。すでに、ヒト科とは呼べない。


 すると、


 「そ、そんな…、かわいいだなんて…」

 さっきの美少女の近衛が、頬に手を当てて、くねくねしていた。かなりの美少女なのに、言われ慣れていないのだろうか。ふつうの女の子ぽいところに好感が持てた。

 まあ、いまは、照れてる場合じゃないとは思うが……


 

 こんどは、



 「オーク()()だと…」

 『さん』付けしたほうに、反応してきた。オーク種にカテゴライズされたのは、問題ないのだろうか。


 「けっ、てめえこそ、オークに『お友達』でもいるんじゃねえのか」

 そんなことを言い出した。


 「ああ、いるさ。『お友達』というより、『家族』だな」

 そうなのだ。魔物さんたちは、すでに、家族のようなものだ。

 だいいち、そのへんのニンゲンより、よほど『人格者』なのだから。



 「「「「「「「「家族…?」」」」」」」」」」」

 なぜか、周りのひとが、いっせいに反応した。そんなに珍しいのだろうか。

  

 

 そのときだった。


 

 「よく言った!さすが、アタシが見込んだ男だけのことはあるね!」


 なぜか、オレのあしもとに、キタキツネモードのキツネっ子がいた。

 なついて後を追ってきたのだろうか…




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