第15話 佳境に入った?女神
この日の、家のなかでのエピソードは、「幕間?」みたいなかんじで、そのうち投稿しようとおもいます。
こんな話ばかりつづいても退屈かとおもうので…
本編?にはいっても、なかなか話がすすみません…難しいものだとおもいます
「えええええええーーーーーーーっ!」
目の前で、女神セーラが盛大に驚いていた。
ケンイチさんたちは、さらに驚いている。
「ま、まさか…、ホントに女神さまなの?」
先代聖女のアンナさんは、信じられないようすで固まっている。
かんじんの女神の方は、佳境にはいったのか。
「ジュンくんってば、異世界転移の初日で、もう別のオンナを作ったの!」
『別のオンナ』とは、オレの腕のなかで爆睡中の、現役聖女のことらしい。
「ボクという女神がありながら、ひどいっ!ひどすぎるよぉ!しくしくしく…」
レオタードにエプロン姿で、うずくまって泣き真似をはじめた。
こいつも!
オレの家で、勝手にアニメとか見てたんだな!
オレの異世界での新生活は、日本のアニメネタですでに汚染されていた。
翌朝まで、聖女セシリアは目を覚ますことがなかった。
「召還に失敗した日から、まともに眠れなかったから…」
でも、昨夜。
オレが無事だったことを知って、ようやく安心して眠れるようになったのだろう。
ちなみに、アンナさんは…
『女神さまに、なんて格好をさせてるのっ!』って激怒して、オレの胸ぐらに掴みかかりそうになっていた。
姉妹そろって体育会系聖女らしい。
しかし、さすがに元勇者。
たちまちアンナさんを羽交い締めにして、なんとか食い止めてくれた。
それからまもなく、セーラの説得で誤解は解かれた。
それにしても、オレのことを『幼い女神のセーラを内縁の妻にして、あの格好をさせた上で夜な夜なご奉仕させていた鬼畜野郎』…とでも思ったのだろうか。
聞いてみたい気もしたが、聞くのが怖かった。
一夜明けたからと言って、ほとぼりが冷めているとはとうてい思えなかったが、セシリアのこともある。
いったん王都に戻った。
彼女は、きょうで王都から出て行かねばならないのだ。
城門の前で列をなしている人々にすこし申し訳ない気持ちになりながら、貴族専用の門をくぐると見覚えのあるシスターが駆け寄ってきた。
「ああっ!やっぱり外にいらしたのですね。ずいぶん探しました」
昨日、オレに攻撃してきたシスターのひとりだった。
胸の体積から推測するかぎり、いちばん年下なのだろう。
若いので、パシリに使われているに違いない。
「みんなで、探し回ってたんですよ!パシリなんかじゃありません!」
シスターが、ぎろりとオレをにらんだ。
まさかとは思うが、心の声が漏れていたのだろうか。
ひとり暮らしの老人の心境がわかる気がした。
「至急、お越しくださいとのことです。申し訳ございません。お急ぎください」
きのうの、ばあちゃんシスターが呼んでいるらしい。