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お嫁さん&魔物さんといっしょに、ムテキな異世界生活  作者: 法蓮奏
サバラン共和国(カルシウム大陸)編
137/631

第137話 ソチラニマイリマス



 《ハッ…、イマ…》

 《デテコイ…ト、オッシャイマシタ?》

 

 「えっ…!」

 オレの、危険感知センサーが、激しく鳴った…気がした。

 「い、いや…、それは…」

 

 「もちろんです!」

 「男に二言はありません!出てきてください!」

 ジュリアン君が、代わりに、きっぱりと言った。


 そうですよね、ジュンさま…

 オレを信じ切った、まっすぐな瞳が、まぶしい…


 「お、おうっ!」

 「も、もちろん…、に、二言はない…」


 《ワカリマシタ…デハ、ソチラニ、マイリマス》


 『参ります』って、どこから来るんだ?


 やっぱり、『ゴーレム』なんでしょうかね、

 「どきどきしますね、ジュンさま!」

 なにやら、わくわくしている。


 そうか……、ジュリアン君、じつは……見たかったんだ…



 《ナビ、AI、セイタイモデルニ、イコウ…》

 《ノコリ100%……70%……30%……、カンリョウ》


 《セイタイモデル、カイトウ…、ノコリ100%…》


 《ヘイコウシテ…、ジョウリクセン、シャシュツ…》

 《カウントダウン、10…9……5…3…1、シャシュツ…》




 …………



 …………



 しーん…



 …………



 なにも起きなかった。



 …………



 …なんだ、コレも、冗談だったのか

 ちょっと、ほっとした。



 そのときだった。



 ずっどおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーん


 

 「こ、これは…!」

 「すぐ近くの山だ!……ケロ」

 カエルの魔物さんの両手が、タッチパネルを、滑るように操作した。まさに、エキスパートの技だった。


 「いま…、画面に出る……ケロ」



 びよーーん



 巨大なモニターの中央に、山腹が映し出された。

 すぐ下に、王城らしき建物が見える。



 なんだ、コレは…



 巨大モニターには、どこからどうみても、『小型宇宙艇』としか見えない物体が映っていた。

 しかも、山腹に、突き刺さっている。

 なんで、ふつうに、着陸できないのだろう。


 もうすこし、ずれていたら、城に突き刺さっていたのだろうか。

 冷たい汗が、背筋を伝った。



 ふたたび、さっきの声が聞こえてきた。

 

 《…ジ、ジョウリク…、カ、カクニン》

 

 《…カイトウ、ジョウキョウ、ノコリ…………5%……、カンリョウ》


 《ギルド、チカ、オペレーションルームニ……テンソウ…》



 …………



 「はっ!ジュンしゃま、来ますニャ!」

 「ジュンくん、受け止めてあげてっ!」

 ライムとセーラが叫んだ。



 ぶよーーーーん



 オレの目の前の空間が、ゆがんだ。

 オレは、あわてて、両腕を差し出した。



 くっ…



 軽いけど、腕に重量がかかる。


 落としてはまずい…

 横抱きに、しっかりと抱きしめた。

 

 ふぅ……、腕にかかる重さが安定した。

 なんとか、受けとめられたようだ。



 腕のなかには、オレと同い年くらいの女の子が、一糸いっしまとわぬ姿で、抱きかかえられていた。

 真っ白で、透き通るような肌をしている。

 長い黒髪が、オレのあしもとに、ふわりと垂れた。


 オレは、ねんのため、頭のてっぺんから、つま先まで、つぶさに観察して、脳内に記録した。

 ま、まあ、このくらいは、役得ってことで…

 

 ゆっくりとひらいたまぶたから、瞳の朱がこぼれた。

 その瞳には、小さな数字が、絶えず流れ落ちていた。


 「あ、ありがとうございマス。ご主人サマ…」

 

 セーラや、四姉妹たちに、近いといえばいいのか、

 人とは、かけ離れた美しさをもつ少女だった。




 

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