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「サイコーーーーーーー!!」
声が響き渡った、この町中に聞こえるかのような叫び声。
生きていることが嬉しかった。
命の鼓動に幸せを感じた。
雲一つない青空の下の通学路。
いつもとは見慣れない光景だった。そこには、人が立っていた。しかも知らない人。
一瞬、足を止め考えたが、声をかけずに通りすぎようとした。横を通り抜ける時、感情がこもった声で言った。
「君、かわいいね」
思った、こいつぁやべぇぞと。
よくあるナンパと言っても、私にとってはよくはないけど、それでもそれならまだわかる。
そう言ったのは『女の子』だった。同い年くらいの。
青空の下で思った、雲行きが怪しいと。