マイムマイム!
毎日、寝ている間はムリだけどそれ以外の時間は魔力の流れを確かめる練習と、転生した時になぜか地球時代の体から持ち込めた超能力を練習しながら幼い日々は過ぎていき、俺は3歳になった!
色々と地味だから時間をすっ飛ばした!ごめん!
魔力の循環と制御はちょっとずつ上達、超能力の方も何故か神様の加護のおかげでパワーアップしていた。
もちろん体の成長もしたので、二足での立ち歩きも可能になり、この世界の言葉の理解も得られた。
前世では英語とか全くダメだったんだけどね。神様の加護のおかげだろう、両親の言葉を『理解したい』と頑張っていたらすんなり言語習得ができた。
日本語とのバイリンガルだぜ!へへへい!
比べる対象がないので想像になるんだけど、俺の魔法の素地は神様のおかげでズルしているので、3歳という幼い子供としてはなかなかのものではないかと!思っていますよ!ええ!
自己満足でニヤニヤしながら1人、部屋で魔法を循環させているとパタン、とドアが開きトテトテと可愛い足音が近づいてきた。
「おにーたん魔ホーおしえて?」
キュレネが可愛く首をかたむけてお願いをしてくる。
おほほほほぅ孫のように可愛いのぅ……孫は今頃、地球で楽しくしているだろうか?
こんな可愛いから期待に応えちゃう!
「うん!いいよ!じゃあキュレネ!手を繋いで魔力流しっこしよう!」
「うん!」
そして俺とキュレネはマイムマイムのように手を繋ぎゆっくり回る。
この時、繋いだ左手から時計回りにキュレネの体内に魔力を流し、流れ込んだ俺の魔力はキュレネの小さい体を巡ってから通り抜けて俺の右手に戻る。それを繰り返す。
体自体を魔力の流れに合わせてゆっくり回転して魔力を浸透させていくので、キュレネもイメージをしやすいのか?
やりはじめた頃のキュレネは顔を赤くして体の中の魔力引っかかって失敗していたのだが、今はスムーズに魔力が体を回るようになりだした。
───これぞマイムマイム魔力循環訓練!
マイムマイムをしていない人から見たら微笑ましい兄妹のお遊戯だが、これを始めてからキュレネの魔力は少しずつ上がってきている。実に修行方法としては合理的だと思うえっへん!
もちろん神様の加護がある俺と比べたらキュレネの成長は微々たるものなんだが、キュレネがいつか魔物に襲われた時に強力な魔法が使えれば死なずに済むかもしれない。
だからしっかりと教えよう!
「キャハハおにいたん楽しー!」
キュレネが花笑みを俺に向けてくる。ニッコリ笑顔で返すとしよう!
うんうん孫に早く天国で会いたいなぁ……グスッ
☆★
「あれ?キュレネ……魔力の量がちょっとおかしくない?」
夕食時に母さんがキュレネに向かって話しかける
うん毎日マイムマイムしてるからね!
ちなみに俺は親には能力を隠している。前世でも超能力を隠して生活をしても、結果的に死ぬまで穏やかに暮らせたんだ!
こちらの異世界でも平穏無事に暮らしたい!
では次は…… と魔法の修行を頑張る為の魔力循環が出来たので制御もできるのでは?と訓練していた成果が出ているようだ。
母さんは俺の魔力量がキュレネより遥かに多い事に全く気付かない!やった修行の成果がでとるでコレ!
「んー?キュレネ!お母さんとおデコ合わせてみよっか!?」
「いいよーかあしゃん」ニッコリ
はぁ、キュレネ可愛いなぁ……
夕食後、母さんとキュレネがおデコを合わせてから母さんがキュレネに魔力を流す。キュレネはその魔力をマイムマイムの要領で母さんに流し返す。
「……キュレネあなた……」
母さんが驚愕をしながらおデコを離し『3歳で魔力循環……?』とブツブツと呟く。
キョトンとするキュレネを母さんは目を丸くして見ていた。
少し夜が深くなり父さんが帰ると母さんは興奮した声でキュレネの魔力を説明していた。
どうやらスムーズな魔力循環は3歳ではありえないんだそうだ。