赤ちゃんな俺
あー明るいなぁー明るいなぁー…… ちょっと明るいよ
!?明る過ぎて辛い……
「おぎゃーおぎゃー」
なんだ呂律が回らない?…… うぇぇ?なんで俺の手がこんな小さいの?
ああそうか転生したのか?…な?
目がフワフワとして力が入らない。磨りガラスのようにぼやける。光や形が定まらない。
あれ?なんだか優しい物がふれる
小さい手を何とか伸ばすとそれが手と分かる。母親かな…… だと思う。感覚で分かるもんだな、母親すげぇ……
優しい母の手の温もりに意識がゆったりし眠りに落ちる。
新生児大変だな。
自分の事なのだが、脳が上手く機能せず思考が定まらないまま…… 何日が過ぎたんだろうか?それも定まらないままに日々を過ごしていった。
自分の体や新しい母親の顔がハッキリと認識できるようになり、考える事が出来るようになる頃には俺は1歳を過ぎていた。
★☆
オッパイ期は終わり固形食に変わり、思考が断片的だったのが連続になりちょっとずつだけどウチの家族構成や現状の理解が始まった。
俺の今回の人生での名前はシノーン
なんかハッキリしない名前だからみんなにはシノと呼んでもらっている。
なら、なんでこんな名前にしたんだよ?改名してほしいぜ……
○優しい茶髪の母さん。
名前はキルケ とっても美人な魔法使いさん。
しかし嫉妬がすごーい。
父さんがポケーっと他の女の人を見たら
その横っ腹に目がけて魔法で攻撃しちゃう怖い人。
○いかつい金髪ロングの父さん
名前はオーディオ
どうやら母さんと2人で冒険者という職業をしていたみたい。
だけど母さんが俺を妊娠して引退。
そこそこの力量があったみたいで今は街の衛兵として雇われている。
本当にゴツい。でも驚いた時の動き方が乙女。
○くりくり目の
妹キュレネ
父さんが冒険者だった頃の友人夫婦が遺した子
ある夜…… 騒がしい怒鳴り声や、鳴き声が聞こえてきた次の日の朝には隣でスヤスヤ寝ていた。
キュレネは…… 多分、同じ年齢だと思う。
脳がまだ話の認識を正しく出来ていないから朧げだが、話を繋ぎ合わせて考えるとキュレネのご両親は魔物に襲われて命を落としたんだろう。
遺児となり引き取り手が無かったキュレネを、衛兵という安定した職に就いている父さんが面倒を見るという事で話がついたようだ。
「だあぁー!」
キュレネが俺の指を持って笑いかける。
可愛いのぅ…孫を思い出すなぁ
守ってやらないとねぇ………
──────そして強さを目指す事を始めたのだ!神様の加護があるし訓練すれば強くなるよね!?
それに赤ちゃんの体は暇だしね。時間はいっぱいあるんだ!キュレネ守ってやれる兄になろう!
たが…… 精神はジジイで孫を思い起こさせるぐらい可愛い妹への庇護欲もあるんだが、体やら目やらは赤ちゃんで全く言う事を効かない。ジジイ拘束中みたいな感じ?
そこで考えたわけ。動けない中できる訓練となると魔力だ!ってね。
ヨッシャ!と気合いを入れて、神様が見せてくれた光の魔法を思い出しながら使えるか試してみる。
なんかモヤモヤと上手くいかないが…… しっかりとした何かが体の中に動くのを感じる。
神様の話ではこの星の生物には細胞単位で魔素が含まれ進化したらしい…それが反応しているんだろうか?
ちょこっと若返らせて異世界に転移させてくれればよかったのにと考えた日もありました。ええ、暇なので思考は自由ですよ。
でも神様にも考えがあって、この星の人間の遺伝子を受け継がないと魔法が使えないためワザワザ産まれ直す必要があったんじゃないか?と考えに至った。今更ながら頷く気持ちだ。
ピクピクと体の中にある何か?魔力?を動かし続ける。これ本当に訓練で魔力の上昇があるのか?
そう疑う程に微妙な変化を感じる。
ずっとピクピク魔力循環の訓練をしていると横からスースーと寝息が聞こえてきた。
──────────────!?あ……
キュレネが寝ているのか……布団かけてやらないと風邪ひくかな?これでよし、偉いね自分で寝れたね!よしよし!
そう思い俺は隣に寝るキュレネのお腹に超能力で浮かせて運んできた麻のタオルをかけてやる。
───…… あれ?
超能力使えちゃったよ!?