キュレネ怒る母さんも怒る!
教会から逃亡して、少し時間潰し。
ウロウロと歩き、美味しそうな果実ジュースを2つ買ってから冒険者ギルドに足を向ける。
ギルドの前では何故かキュレネが引き攣った顔で俺を待っていた。
クソっあの神父が何かしたのか?一人で行かせた後悔が押し寄せる。
「すまないキュレネ、一人にして…… 大丈夫か? 」
果実ジュースを一つキュレネに渡して謝る。
「全然まったく大丈夫じゃないよ!」
ふ─────────っ…… やっぱりか…… あの神父め…… どうしてやろうか?
「お兄ちゃん…… あの素材なんだったの!? 」
「ん?ん?そざい?」
「私に渡した魔物の素材だよぅ!」
怒りながら泣きそうになっているキュレネを抱き寄せて近くにあったベンチに座る。
「神父になんかされたんじゃないのか?」
「違うよ! 何かしたのはお兄ちゃんだよ! 」
「く…… 詳しくお願いします」
ズコ────────ッとキュレネはジュースを飲み干してから話し出す。え?俺のジュースも飲みたいの?飲みかけだから…… あ、飲まれちゃった。喉がよほど渇いたのか…… ごめんなぁ……
顔を赤くしがらキュレネは話しだした。怒ってるなごめん。
どうやら俺の渡した魔物鳥はカリスト様が手紙で書いてきた通りに、色々とレアな魔物だったみたい。
そんなレアな魔物素材をキュレネがギルドのカウンターにザラザラーっと出した瞬間にまわりの冒険者は響めいたそうだ。
「おかげて私、成人したらトロスの町のギルド冒険者のランクアップ試験を受けないと行けなくなったんだよ?…… それにコレ」
どっさりと金が入った袋をキュレネが渡してくる。
…… え?重い。こんなに?
「あの魔物はランクの高い素材採集依頼が出てたみたいで神父様とギルドの人達から質問責めにされたのよ…… みんな臭いし。凄いお金貰って怖いし…… 」
ついにシクシクとキュレネは泣き出した。
ごめんよぅ…… ごめんよぅ……
しばらく俺は抱きしめながらキュレネの背中を撫で続けた。
素材を売った金額は350万円だった。
地図が買えるね!やった!
あの鳥おいしいな!ぜひ、また狩ったろう!
キュレネが泣き止んでから地図と、お詫びにキュレネに可愛い服を買って家に帰った。
「…… どう?お兄ちゃん」
「うん、キュレネは元々カワイイけど、より一層にカワイイよ」
「え…… カワイイ…… えへへへへへへへへへへへへへへへへはへへへへへへへはははは」
「え?ちょっとちょっとキュレネ、大丈夫?」
服屋でワンピースを買ったキュレネはちょっと危ない雰囲気になっていたけど…… お兄ちゃん心配です。
気がつけば、両手には無駄買いした物が!いつの間に?田舎村では買えない物があると、ついつい買っちゃう。またお金を稼ごう、そうしよう!
母さんにバレた時は、村の外の隊商から買ったと言えばええやろー軽い軽い!
☆★
「お兄ちゃん…… 地図を買ったけど1人でどこかに行かないよね? 」
瞬間移動で村に帰る途中でキュレネが心配そうに話しかけてくる。
いや話しかけないでー瞬間移動中は集中してるからー…… いや無視はしていよ?集中してるの。2人乗りはまだ慣れてないからね?
「私も、旅にでるなら連れて行って…… くれるよね……? 」
いやーそんな悲しい顔しないでー。
「…… 」
「私、シノの事が好「いや!飛んでる最中は話せないからね?集中してるから!無視じゃないならね?! 地図は勉強に使うの!…… あれ?今、シノって呼んだ? 」」
キュレネは一気に真っ赤になってアワアワしている。
いや名前で呼ばれてもいいんだけどね。
シノ兄ちゃん…… うん、別にアリだな。
家に帰りキュレネが買った服を色別に並べて嬉しそうにしていると母さんが鬼の形相で服を見てくる。
「あ…… 外の隊商で買ったよ? 」
こわい
とにかくどこかに行って欲しい。
「父さんと買いに行けばどうでしょうか? 」
こわいので敬語で父さんを売ってしまう。
ニヤリと悪魔のような笑顔を浮かべて母さんは部屋を出て行った。
『え?どうしたの?何で引っ張るの?村長の仕事中だよ? 』
『それは後よ!行くわよアナタ! 』
『えっ? えーっ? 』
廊下から父さんの悲鳴が聞こえる…… ごめんよ父さん。想像以上に母さんが怖かったんだよぅ……
今日の隊商は金物ばかりだから服は買えないかも……かもじゃなく、買えないね…… ごめん父さん。
母さんに引っ張られて行く父さんと窓越しに目が合う。
そんな悲しい顔しないで父さん
ゴメンね……




