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〜所定定位置(スタートライン)〜第1話

やはり更新速度が人より遅い......

頑張らなくては......!

今回も暖かく見ていただけると嬉しいです。

目覚めてまず最初に違和感を感じたのは明るさ。

洞窟にはなかった妙な明るさにまず疑問を覚える。

次に地面。

洞窟にこんなにフサフサした草は生えていただろうか、いや明らかに生えていなかっただろう。

少なくとも繋の記憶の中ではゴツゴツとしてやたら足場の悪い地面のイメージしか残っていない。

起き上がり辺りを見まわして、さきの大絶叫に至る。


とりあえず、ふらつきながらも起き上がりもう一度ぐるりと自分の周りを見回すも、やはり見覚えはないし、森の中に生えている植物も全くもって見覚えがない。

少しばかり離れた所に繋は洞窟の中で見たあの石版をコケまみれの状態で発見した。

(ここにもあるのか......。ん?書いてある事が違う....。歓迎しよう、ようこそアルドレアへ.......だって?どこだ......っ!!?)

これが漫画であれば、繋の背景にはズーンと描かれていただろう。

それほどわかりやすく繋は絶句し、戸惑っていた。

いきなりこんな知らない世界へ連れてこられたのだ、無理もないだろう。

止まっていた所で仕方がないと、繋はとりあえず森の中を歩き始める。

森の中を歩いて数分、繋はある違和感を感じる。

(この森、生き物の気配が全くない。どうなってるんだ。)

そう、森と言えば木があり、花が咲き、生き物がのどかに暮らす、そんなイメージを持つ人が多い。

無論、繋もそのうちの1人だ。

しかし、この森を歩いて数分間、遭遇した生き物は0である。

異世界とはいえ虫でもいるのか、と地面も観察してみたが何もいなかった。

(薄気味悪いな....。こうも何もいないと、流石になぁ。しかし、異世界ってどんな生き物が住んでるんだろ....。)

思いのほか落ち着いたらしく、いつもの冷静さを取り戻し、色んな方向へ考えを向けられるようになった。

が、しかしそれも一瞬であった。

「ギャォォォォォォォォォッ!!!」

とてつもない爆音、と言うより何者かの咆哮が繋の鼓膜を激しく振動させた。

「ぐ.....っ!?なんだこれ、耳がもげるっ!」

両耳を手で力いっぱいおさえても爆音がまだ鼓膜へ突き刺さる。

ようやく音が鳴り止み、抑えていた手を離し音のした方向へ首を向けると、高さ10メートルから15メートルにもなろうかと言うほどの巨大な四足歩行の地竜がこちらを正確に捉えていた。

「ドッ.....ドラゴンだとっ!!!?あんなもん実在すんのかよ!!?無理無理無理無理ぃっ!!!」

普段では有り得ないテンションで無理を連呼し、脱兎のごとく背中を向けて走り出す。

当たり前だ。

東京にドラゴンはいない。

と、言うより地球では竜自体が伝説上の生物だ。

現実世界にいるなど聞いた事がない。

(この森に虫1匹いなかったのは、このせいだったのかよっ!!?うわぁっ!?待った待った!!追いかけてきやがった!!無理だろ、あんな巨体っ!!!!)

地竜は繋へ向けて迷わず真っ直ぐやってきた。

そう、文字通り一直線で。

木などハナから気にしていないのかバッタバッタとなぎ倒しながら繋へ迫る。

息遣いは荒く、傍から見ても気が立っていると誰が見てもわかる。

ただ、怒られるような事をした覚えのない繋にとっては理不尽な怒りをぶつけられているとしか感じない。

しかしそれよりも繋にとってはジリジリと距離を詰められていることの方が問題であった。

(こっちも目一杯だってのに.....っ!!チィッ!!歩幅が違い過ぎる....っ!!!)

昔から人よりずば抜けて体力があり、走るのも早かった。

と、言うより他人より運動神経がずば抜けて高かった。

今でも繋は常人では考えられない速度で走っている。

しかしこの地竜はそれ以上の速度で迫ってきている。

(地下に落ちたと思ったら、ヘンテコな世界に連れてこられ、そんでもって極めつけはコイツかよっ!!)

毒づきながらも地竜を振り切ろうと必死に足を動かす。

しかしここで繋は致命的なミスをする。

地竜の姿を確認しようと後ろへ振り返った時に前方を全く気にしていなかった。

足元に木の根が飛び出しており、それに足を引っ掛け盛大に転んだ。

地竜はその隙を見逃してくれるほど甘くはなかった。

一気に距離を詰められ、太くゴツゴツとした右前足で蹴り上げられ繋の身体は宙を舞った。

「がはっ.......!!!」

(い、痛すぎて痛みがねぇ.......っ!息が.....っ!!)

肺の中の空気が全て外に放出された。

それと同時にこみ上げてきた血液が繋の気道に溜まり呼吸を阻害する。

咳き込みながらなんとか血液を吐き出し、寝転がった状態のまま首だけを起き上がらせ視線で地竜の姿を追う。

地竜は勝ち誇ったように重みのある足取りで繋の方へゆっくりと歩いてきていた。

(ここまで、かよ.....。あまりに壮絶すぎんだろ、今日一日。まぁ、でも最期だけは退屈な一日じゃなかったのかもな。)

全身打撲と肋が数本折れているであろうボロボロの身体を引きずってなんとか起き上がろうとする。

しかし起き上がることは叶わずその場で倒れ込み、起き上がることさえ繋は諦めた。

このまま地竜に踏み潰されて死ぬのだ、と死を受け入れようとし、両目をゆっくりと閉じたその刹那_____

「おりょ?なんでこんな所に人間ヒューマンが?こんな所までよく辿り着いたねぇ。ふふっ、案外見所あるのかもね♪」

どこから現れたのか、年端もいかぬ少女の声が満身創痍な繋の耳に届く。

うっすらと両目を開け、少女の姿を確認すると少女はニコリと年相応の明るい笑顔で尋ねてきた。

「なぁ、人間ヒューマン。お前のその傷はそこのチビに受けたものかい?」

チビと指差された方へ首を動かすと、突然の乱入に気を悪くしたのか、さっきよりも低い声で唸る地竜の姿があった。

内心、あれがチビ!?とツッコミたかったが今の繋にそんな余裕はなく、頷きだけで肯定を示した。

「そっか、そっかぁ.....。大変だったねぇ....。今からボクが助けてあげる!!」

え.....、問い返したかった。

何を言っているんだこの子は、と。

自分より年下の、それも小さな女の子が強靭な肉体を持ち、それなのに滑らかに動いてくる地竜を相手にどうすると言うのか。

少女と地竜は数秒間睨み合い、先に少女が口を開いた。

「おい、誰の断りを得てこのシトリーの森へ入った。去れ。ボクがお前を灰燼と化すのに必要な時間は10秒だ。だから10秒間待つ。それ以内に去れ。去らないならば塵とかせ。」

先ほど、繋へかけた優しい言葉をかけた年相応の少女とは思えない程の迫力と重圧を繋は肌で感じ取った。

それは地竜も同じだったらしく、気圧され地竜は静かに去って行ったのだった。

地竜を見届けた後、少女はくるりと繋の方へ身体を向けさっきと同様の年相応の笑顔でこう言った。

「大丈夫?今、傷を治療するね!」ニコッ

繋自身なぜかは分からなかったがこの少女に対し、懐かしいという感情を覚えていた_____




次話更新早められるよう頑張ります!!!

できれば2日で.....w

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