困惑の赴くままに
「エミル様は今頃何をしていると思いますか」
私は店主と共に先ほどのことを話していた。
「そうですね、きっと、時の導きのままに幾時かを重ねているのではないでしょうか」
残酷なことに店主は私が思っていた言葉をくり返し、私を絶壁へと追いやる。
「やはり、そうですよね」
私は確かにそう言っていたのは間違いはないだろう。私自身訳、わからない言動ではある。しかし、今の私には非常に重々しく体中を埋め尽くしている。一つの感情に赴いてしまいたいという感情、それは非常に懐かしく、私の本質に近いのかもしれない。だが、そうであったとしても私に何ができるというのだろうか?
一人の兵士を戦火に赴かせる隊長のごとき悲壮、
私には何もできない。
いや待て、本当にそうであるのだろうか?
「館長」
力強いその声を待っていたかのように店主は目を見開いた。
「わかっていましたよ。貴方がきっとそうしたいということをね」
「すいません、ありがとうございます」
「では」
そういうと店主は自身の視界を完全に遮断し、空間を束ねるかのように手を軽く握った。
「ここからは貴方の仕事ですよ」
私は何をすればいいのだろうか、何をするべきなのだろうか。私の心に完全な回答がある訳がないことなどわかりきったことであるのに、未だに散策してしまう。きっとそれが選択であるのだろう。それを選ぶこと自体が回答ではないだろうか。そう思いたい。
ここで私がしたい解答は……。
洋灯のほんのりとした光は、それはそれは力強く輝きだした。
まるで、最後の灯火のように、