△&◎月の日々
△月○日
僕等の種族によく似た奴がいた。
「擬き如きがっ。」
といって襲い掛かってきたけれども奴の鋏をボクの鋏で受け止めたら相手の鋏が欠けた。
やはり鋭いものは欠け易いようだ。
奴は『サソリ』で僕は『サソリモドキ』らしい。
だからなんなのかはわからない。
そして奴は■ん■い■■だと言っていた。知らないし興味もない。
そういえばかーさんがそんな言葉を言っていた気がする。
でも思い出すのも正直だるいので思い出せたときにでも思い出すことにしておく。
考えたらお腹がすいたので襲い掛かって喰おうとしたら逃げられた。
追いかけるのもだるいので落としていった片方の鋏を喰った。
心なしか切れ味が上がった気がしたが試すのも面倒くさいのでまた今度にしておく。
今日かーさんの洞窟に戻ったが戻ってもやっぱりかーさんはいなかった。
後今日はやけに眠い。変なものを食べたせいだろうか?
◎月◎日
結論から言うと切れ味は上がっていた。
だけどそれは昨日喰った鋏のせいかどうかまでは判らない。
なぜなら起きたら進化していたからだ。
アロイヴィネガロンというらしい。
でも一番びっくりしたことはいつの間にか風景が変わっていた。
風景も変わっているし、物の見え方も変わっていた。
どうやらずいぶん寝過ごしていたらしい。
でも随分と身体は大きくなった。
寝る仔は育つというやつだと思う。
お腹がすいたので食べ物を探しに行くと毛虫のようなトゲトゲの細長い奴がいた。
その針のような毛を使って精一杯威嚇をしているが僕は全身が多分奴の針よりも固い。
鋏を振り上げて叩き潰した後、歯で齧って食った。
悪くない味だと思う。
◎月□日
昨日寝る前にかーさんの洞窟の岩を齧ったせいかまたレアメタルヴィネガロンになっていた。
大きさは変わっていないようだ。
なんかでかい二足歩行の爬虫類が洞窟に入ってきた。
前かがみになって尻尾を後ろに伸ばして姿勢を取っているようだが、
そこまで無理して2本足で立つメリットがわからない。だるそうだ。
僕みたいに使える脚は全部使えばいいのに。
僕も試しに2本脚で立とうとしてみた。
…できなかった。
あー凄くだるい。もう二度としようとも思わないと思う。
急に体を起こした僕に驚いたのか逃げようとして壁にぶつかって死んだ。
アホだと思う。
因みに美味しかった。
◎月◇日
昨日のと同じようなのでもっと大きいのが来た。
結構たくさんいるのだろうか。
昨日の様に勝手に死んでくれと念を送ってみたが失敗した。
逆に襲ってきた。
びっくりして尾の先から液を噴射した。
眼に入ったのか暴れまわって壁にぶつかって死んだ。
やっぱりアホだった。
昨日のより少しだけ美味しかった。
◎月△日
久しぶりに外に出た。
気持ち的にはつい最近の事だが結構寝ていたはずなので久しぶりという表現ででいいはず。
他の同種とあった。
確か兄弟だったはずだ。
でも既に死んでた。死因は爪痕?
多分昆虫では無いけれどもよくわからない。
仕方がないので遺骸を喰うことにした。
…美味しくは無かった。あの時食べなくて正解だったとも思う。
◎月▽日
又しても僕をボコボコにした奴を見つけた。
以前よりは大きく見えなくなったのは僕も大きくなったのもあるのだと思う。
やっぱり小さいのもいた。少し大きくはなっているがやはり小さいのは小さいのだった。
喰おうとした恨みで殴られてはたまらないので、
様子だけ見て帰ろうとしたら兄妹の背後にデカい哺乳類だか何だかわからない奴がいた。
デカい兄弟と比べてデカいのだからすごく大きいと思う。
多分このままだと兄弟は喰われるだろう。
奴の鋭い爪からして昨日会った兄弟をやったのも多分アイツだ。
仕方がないので尾から液体を馬鹿デカい奴に吹きかける。
兄弟もむせていたがそれはしょうがない。
僕は悪くなかったはずだ。
背後の脅威が逃げて行ったのだから許せといったら感謝された。
…………だ、だるいな。
今度僕がピンチになったらいつでも助けてやると言っていた。
これに免じて以前の事は水に流してくれるようだ。
ところで助けが来ないからピンチじゃないのかと思った僕は捻くれてるのだろうか?
奴はそういうが僕はそうは思わない。
僕をボコボコにした奴はヨスガという名前で小さいのはノソラという名前らしい。
互いに付け合ったそうだ。…大変仲がよろしいようだ。
2匹はここら辺から去るらしい。最近物騒だし環境も大きく変わってきたからだという。
僕も一緒に行かないかと誘われたが止めておいた。
僕は暫くここで暮らすのがいい。洞窟もあるし。
そういったら相変わらず親離れできていないなと言われた。
うるさいからせいぜい下手に踊ってノソラに喰われてしまえばいい。
◎月×日
昨日はたくさん日記をつけたから今日は天気を書いて終わり。
今日は雨。
◎月☆日
昨日僕が尾から液体を吹き付けた奴にあった。
ヨスガの方ではない。もっとデカかった奴の方だ。
右眼にはまだ液体金属がこびり付いている。
恐らくそちらの視力は無いだろう。
だるいので戦いたくもないが相手は戦いたそうだった。
もっというと僕を殺したそうだった。
あの時に、
「MMEEGGAAAAA!!!! MMMMEEGGGAAAA!!!!!」
って叫んで失禁しながら逃げたことをそんなになかったことにしたいのだろうか?
僕だって恥ずかしいことの一つや二つはあるけれどそれを抱えて成虫になっていこうというのに、
黒歴史は無かったことにするなんて器の小さな奴だ。
まぁ僕の場合は修正するのが面倒なだけというのがだいたい全体の内の100%くらいの理由だ。
もう一回逃げればいいのに。
あーだるい。
◎月∽日
デカい奴を倒したはいいものの量が多くて喰い切れない。
味的には哺乳類とも何とも言えない味だった。
不味くはないが美味しくもない。
なんていうか…凄く普通だ。
◎月∮日
ようやく食べ終えた。
たくさん食べたからかまた眠くなった。
懐かしいにおいがした。
○日 ブレードスコーピオン
その鋏は鋏というより2つの刃。切れ味が凄い。
□日 レックスドラゴン
古代にとある水の力を持った魔王によって絶滅させられた種の生き残り。
☆日 不明




