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○月の日々

○月○日


僕は産まれた。空を見れば岩の天井があり、

周囲を見れば僕と同じように兄弟姉妹達がたくさんいる。


「あんまり暴れて落ちちゃだめよ。」


地面から大きな声がした。

というか、地面だと思っていたものはかーさんだった。でかい。

後、とーさんは何処にいるのだろう?


○月◎日


どうやらとーさんはいないらしい。

かーさんいわく『喰った』らしい。食事的な意味で。

というか、この質問をしたのは今日三回目だったらしい。

記憶力が無いのかあいえぬてぃとかいうものが足りないのか質問をしたことを忘れていたようだ。

かーさんが呆れていたのでどうやったら覚えていられるか考えたところ、

『にっき』という力が自然に手に入ったのがわかった。

記録する作業をすることで外付けの補助記憶ができるというよくわからないものだった。

記録する作業は正直言ってだるい。

…でもかーさんが折角だからやっておけとうるさいので『にっき』というものをつけることにする。

ついでに機能の分から書いておこう。


○月□日


僕はメタルヴィネガロンというモンスターらしい。

名前はまだ無い。

というか無かった。

さっきかーさんから

「えっ、名前が欲しいの?んーじゃあケリセラータ。」

と名前を貰った。

由来は何かと聞いてみたら、

「旦那の名前。」

とーさんって、いまかーさんの腹の中にいるとーさん?

そう聞くと、

「そうそう。その父さんよ。」

なんて母親だ。

因みにとーさんが喰われた理由はダンスの下手さだそうだ。

蠍擬族のオスはダンスが出来なきゃただの精子袋を抱えたエサらしい。

将来の為にも一生懸命ダンスの練習をしなければ。

…と思ったけど少しやってやめた。だるい。やっぱり時折でいいや。


○月△日

にっきもだるくなった。今日は特に何もなかったので、

天気を書いて終わる。

本日は晴天なり。

しかし今かーさんは洞窟の中にいるので当然その背の上にいる僕たちも同様に空は見えない。

若干洞窟の向こうからの明るさが仄かに外の天気を教えてくれる。

僅かに香る――――――――――――――――――――――

だるくなったのでこれで終わる。


○月▽日

とーさんは実はすごいオスだったらしい。

何が凄かったかはわからない。

でもそれを喰ったかーさんはもっと凄いのではないだろうか?

…よくわからない。


○月×日

熊という奴が洞窟に入ってきた。

デカい。でもかーさんよりはずっとちいさい。

かーさんを見た熊は逃げようとしたがそれよりかーさんの右前脚の方が早かった。

かーさんは熊をその鋏で挟んでそのまま斬り潰した。

そして喰った。

「やっぱ産後は栄養不足になってるわね。」

そういえばかーさんが何かを食べてるのを初めて見た。

僕らにおすそ分けは無かった。


○月☆日

特に何もなかった。終わり。


○月∽日

かーさんはこのあたりの強い奴の一匹だそうだ。

驚いた。かーさんみたいに凄いのが他にもいるのか。

そう聞くと、

「そりゃあいるわよ。蜂とか甲虫とか。」

ということだった。特に蜂がヤバいらしい。

遭ったら逃げよう。


○月∮日

特に何もなかった。後、雨が降っていた。終わり。

主人公はサソリモドキのモンスター。

高い切断力の鋏を持つスタイリッシュなサソリ系と比べ、

強力で叩き切るパワー系の鋏を持っていたりするのが特徴。

サソリとは紛い物、貧弱と罵り合う近似嫌悪な関係。

大きさが成長とともに著しく変化する。


初習得スキル『日記』

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