表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/162

9話 目立つと命が危ないんですって!

天文四年(1535年 冬)――4歳


前世でいえば3歳。つまり「元気に幼稚園に通おうね♪」って年頃だ。

……でも現実は、戦国時代の忍者の息子。

どこに通うんだよ? 地獄にか? 不良になりそう。


京では、細川晴元が管領として偉そうにふんぞり返ってる。

いやいや、偉そうにしてるだけで、偉くはないぞ、お前。


足利将軍はすっかり“おまけ”扱い。

まぁ……無能すぎて、“おまけ”にもなってない気がするけどな。


ところで、三好長慶(みよし ながよし)って、どんな人物なんだろう。

信長が台頭する前は「畿内の覇王」なんて呼ばれていたはずだし、一度会ってみたい気もする……。


さて、俺はというと、4歳になるまでいろいろ行動を抑えてきた。


本気を出せば、オヤジと将来の伊賀生き残り戦略について、語り合えるくらいの知能はあるよ。


でも、ほとんど寝たきりの赤ん坊が急に「父上、伊賀の国は富国強兵が必要でございますぞ!」なんて言い出したら――


「うおおっ! 物の怪だ! 祓え! 取り敢えず成敗しとくか!」

って騒ぎになって、刀やら護摩やらが飛んでくるとんでも未来が見える。


だから仕方なく、喋れるのをぐっと我慢して、赤ちゃん言葉フィルターを通して会話してきたんだよ。


……これがまた、地味に疲れるんだよな。

変換に手間がかかるし、母音ばっかで……もうそろそろ限界。


とにかく4歳になったら、いよいよ“伊賀の民を幸せにする”ために動き出すと決めていた。


……とはいえ、誕生日を迎えた瞬間から、いきなり大人のように振る舞ったらどうなるか?


そりゃもう、家中がパニックだろう。

「この子は物の怪に違いない!」って、逆さに吊るされ、焚き火の煙でいぶされる未来しか見えない。


だから俺はこれまでの数年間、“ちょっと成長が早くて賢い子”というイメージを、じわじわと“賢い子の雰囲気”を周囲に刷り込んできたのだ。


その努力の結果――いや、努力の副作用というべきか……

「どうもこの子は、大人の話を理解しているっぽい」と、変な噂が立ち始めた。


そのうち、冗談半分とはいえ、人生相談を持ちかけてくる下忍まで現れ始めて――

話をしているうちに、つい情が移って、幼児らしからぬ的確なアドバイスをポロッとやってしまうことが、何度かあった。


そんなこんなで、4歳になる頃には、

「百道家に神童が生まれた」と、伊賀中で噂になってしまった。



治癒スキルがどんなものか、こっそり試してみた。

まずは自分自身に。風邪っぽいな〜というときに“ぽん”と使ってみたら――あっという間にスッキリ快調、元気モリモリ!


……そりゃ、他の人にも使ってみたくなるのが人情ってもんでしょ?


試しに、俺を抱っこしていたお婆ちゃんに、軽く“ぽん”。

顔色が悪かったのが、まるで温泉上がりかってくらいツヤツヤに。元気ハツラツ、思わず「オォ〜!」って声が出た。


それを見て、調子に乗った俺は、今度は別の人にも“ぽん”。

するとまたまた元気に! これ……すごくない?


そんな調子でポンポンやってたら、あっという間に噂が広がっていった。


気がつけば――

「百道の神童」に加えて、「万病を治す神の使い」なんていう二つ名まで拝命してしまった。


……赤ん坊なのに、もう肩書きが重い。


俺は別に、“伊賀の聖人”を目指してるわけじゃないんだよ。


だから――

「噂が盛られすぎて迷惑してる子どもがいる」って話を、オヤジに頼んで火消しの噂として流してもらった。


「どうやら神童ってのも誇張だったらしい」

「体が丈夫なのは確かだが、神の使いは言いすぎじゃね?」


そんな感じで、一時的に噂は落ち着いた。


以後、治癒スキルの使用は「忍びの任務で負傷した者に限る」というルールにした。

もちろん、治してやるときにはこう言う。


「誰にも言うなよ。これは内緒だぞ……」

……秘密ってのは、忍びの基本だからな。


それでも、怪我を治した忍びたちからは、

「若に終生の忠義を捧げます!」なんて言われている。


……とにかく、あまり騒がないでほしい。

戦国時代に目立つのは、本当に危険なんだよ! 


4歳になったら、俺に傅役が付けられた。

楯岡道順(たておか どうじゅん)というおじさん。


職人気質でありながら、柔軟な思考もできる中忍。

「苦み走ったいい男」っていう表現がぴったりなおじさんだ。


道順の奥さんが怪我をしたとき、俺がこっそり治してあげた。

そのことに恩義を感じて、自分から傅役を買って出てくれたらしい。


この人は、伊賀流組み打ち術の名人。

つまり、俺の忍術の師匠になる予定。……ついに忍術の修行が始まるのか。

楽しみだな。


*** 


「道順、伊賀って貧乏なのか?」


「貧乏でなければ、誰も忍びなどやっておりませんぞ」


「じゃあ、どうすれば伊賀が貧乏でなくなると思う?」


「そのようなことを、私ごときが思いつくようなら、とっくに伊賀は豊かになっておりますぞ!」


「ふむ……実は良い方法を考えついたんだが、道順の意見を聞きたい」


「承知いたしました!」


道順の表情が引き締まっている。


――よし、いよいよここから、俺の作戦を開始する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ