表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/161

83話 チート戦船

天文13年(1544年夏)――13歳


志摩衆から「日本丸を乗りこなせるようになりました」との報告を受けた。

俺はウキウキしながら、ヨットハーバーへ向かう。


ちなみに、ヨットハーバーには俺の希望で、漆喰で白く塗られたギリシャ風の建物を建てさせている。


今は夏。海風が頬を撫でるように吹き抜け、潮の香りと共に肌に心地よい冷たさを運んでくる。髪がそよぎ、衣が揺れるその感覚が、まるで異国の避暑地にでもいるかのような錯覚を与えてくれる。


俺の髪型は総髪(そうはつ)だ。元服の式はすませたが、丁髷(ちょんまげ)月代(さかやき)(もとどり)といった髪型に変えるつもりはない。


現代人だった俺には、どうにもあの髪型は受け入れがたい……。

しかし、ありがたいことに“神童なんだから”好きにさせとけと思ってくれているようだ。


そんなわけで、俺の長めの髪は潮風を受けて、さらさらと気持ちよさそうに揺れている。


ギリシャ風の建物の中には、白いテーブルと白い椅子を並べさせている。

俺は妻たちと共に椅子にもたれてくつろぎ、重臣たちも同様に過ごしている。


皆、日本茶よりも麦茶派のようだ。夏の暑さのせいだろう。井戸でよく冷やしておいた麦茶を、大きな急須に用意している。もちろんお酒は出さないよ……。


ちなみに麦茶も蕎麦茶も、正直屋の売れ筋商品なのだ。

白い建物、白い家具、心地良い潮風……今が戦国の世であることを忘れてしまいそうだ。いかん、いかん。今日は志摩衆の晴れ舞台だ。


手旗信号の合図で、沖に浮かぶ船団が一斉に動き出す。

船たちは風を帆に受け、まるで水面を滑るように静かに進んでいく。


船と船、あるいは船と陸の連絡手段として有効だと思い、試しに志摩衆に手旗信号を教えてみたところ――

「これは便利ですね」と即座に取り入れてくれた。


忍びも海の民も、新しい技術に対して驚くほど柔軟。実にありがたい。


武将たちの間でも、(いくさ)における命令伝達に使えると評判となり、それぞれの戦場で工夫しながら活用しているようだ。


もしこれが旧北畠であれば、「奇妙なものを持ち込むな」と頭ごなしに却下されていたに違いない。


手旗信号は、望遠鏡と併用すれば遠距離通信も可能になる。

さらに、モールス信号を“光の点滅”で伝える方式を応用すれば、夜間でさえ連絡手段が確保できる。


だが――一度に詰め込みすぎても混乱を招くだけだろう。

今はまだ、静かに時を待つとしよう。


志摩衆を口説いたときの決め台詞――

「外国に行ける船を造ってやる。その代わり、海賊ではなく、外国との交易を生業にしてみないか?」


たしか、そう言ったはずだ。

そして、その“外国に行ける船”こそが――日本丸というわけだ。


俺としては、日本丸には交易船としての顔と、(いくさ)船としての力を、あわせ持っていてほしい。


つまり、交易だけでなく、(いくさ)にも使える船にしたい、ということだ。


では、(いくさ)に必要なものとは何か。

言うまでもなく、“武装”である。


西洋の大型帆船――

たとえばキャラック船やガレオン船には、当たり前のように大砲が搭載されている。だから日本丸にも、大砲を積もうかと考えた。


――が、結論としては「大砲は搭載しない」という決断に至った。


なぜか。


理由は、実に単純だ。

まず、大砲というのは、とにかく重いのだ。


木造の帆船にそれを載せれば、当然、重心が高くなって船は不安定になる。

安定性を取ろうとして船底にバラスト(オモリ)を増やせば、今度は積載量が削られてしまう。


さらに厄介なのが、大砲の砲身の向きだ。

キャラックやガレオンに載っている大砲は、基本的に側面、つまり船の横腹に向けて固定されている。


仰角の調整はできても、砲身の向き自体は動かせない。

言い換えれば――敵の船と横づけ状態にし、至近距離で一斉に撃ち込まない限り、有効なダメージを与えることができないのだ。


見た目は派手でも、実戦では使い勝手が悪い。

それがこの時代の船に積む“大砲”という武器の現実だ。


では、日本丸にどんな武装を搭載するのか――

結論として、重たい大砲はやめ、その代わりにグレネードランチャーを主力武装として配備することにした。


この武器は、口径40mmのグレネード弾を、放物線を描いて撃ち出す仕組みになっており、有効射程は150m、最大射程は400mに達する。


とくに敵船が密集しているような場面では、炸裂弾の効果が存分に発揮され、大きな戦果が期待できる。


加えて、このグレネードランチャーは構造が極めてシンプル。だから“至高の匠スキル”で、問題なく量産できる。

弾薬の製造も同様に容易で、維持・運用コストの面でも極めて優秀だ。


全長は737mm、重量わずか2.7kg。

小型軽量ながら威力は十分。

この時代の木造船など、命中さえすれば、一発で木っ端微塵だろう。


俺はこのグレネードランチャーを、日本丸1隻あたり30丁、配備することにした。


しかもこの武器、海上戦だけでなく、上陸戦や城攻め、あるいは防衛戦といった陸戦でも、その破壊力と機動性が大いに役立つはずだ。


ただし――グレネードランチャーはあくまで“中距離用”の兵器だ。

より遠くを射程に収めるには、もう一手が必要になる。


そこで俺は、“長距離攻撃用”として迫撃砲の搭載を決定した。


この迫撃砲もまた、構造が非常に単純で、“至高の匠スキル”による量産が可能。

全長は1,280mm、重量は約38kg。大砲と比べればはるかに軽量で取り回しが良い。


砲弾は、直径81mm、重量4.2kgの炸裂弾。

その最大射程は、驚異の5.65kmにも達する。


もちろん、揺れる船上で精密な命中精度を出すのは難しいだろう。

だが、相手が静止した大きな標的――たとえば“敵城”や“布陣中の軍勢”といった対象であれば、実戦でも使えると判断した。


さらにその軽さはメリット大だ。

1隻あたり20門を搭載し、“数撃ちゃ当たる”方式で面制圧を狙う。

つまり陸への艦砲射撃に代わる攻撃手段となりうるのだ。


こうして日本丸は――

“近距離攻撃にはライフル”

“中距離攻撃にはグレネードランチャー”

“長距離攻撃には迫撃砲”


距離と用途に応じた武装を備えることができたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ