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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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7話 家は寒いし、過酷が多すぎ

天文元年(1532年)――1歳


……戦国時代では、生まれた時点で既に1歳って扱いらしい。意味がわからん。


当然だけど、まだ動けない。寝たきり生活継続中。

でも耳はちゃんと聞こえるし、言葉も理解できる。

だから、家の人たちの会話はちゃんとインプットされていく。


今年は――天文元年らしい。

管領の細川ナントカさんが、やたらと畿内で(いくさ)してるとか……もう、いい加減にしとけ! バカタレが!


で、足利将軍? あんた何してんの? 生きてんの?

“将軍です”って肩書きだけで、何もしてないじゃないか。もうちょっと仕事しようぜ? 


(いくさ)は、お前がなくせよ!


……っていうか、この人たち、“民”のこと完全に道具扱いだろ。

民の暮らしなんて、1ミリも気にしてないんだろ。ほんとムカつくぜ。


よく権力者が使う「民草」という言葉だけど。

あれって、「ほっておけば勝手に生えてくる」という意味だ。


前世の時代劇によく出てくるセリフだけど。なんだ、その言葉! 

彼らは生まれたときから、そういう考え方が刷り込まれているんだろうな。

だから、民の泣き声も怨嗟も気にならない。


……けど……民のほうも、

「こんな世の中、おかしいよな?」

「変えられるもんなら変えたい」――なんて考えは、微塵もない。


生まれた時から刷り込まれてるんだ。

“これが自分の人生”、“これがこの世の当たり前”って。


教育なんて存在しないしね。

ただ食って、死なないように生きるだけ。

何かを考える余裕なんてない、そんな人生を送るだけだ。



ところで、なんで皆の話が聞こえるかって?


……そりゃ、この百道屋敷が、めちゃくちゃ小さいからだよ!

いやほんと、これで“屋敷”って名乗っていいの? 物置の間違いじゃなくて?


しかも、ボロい。風はスースー入ってくるし、木材はギシギシ鳴るし、

仕切りなんてあってないようなもんで、屋敷中の会話が丸聞こえだ。


プライバシー? なにそれ? って世界。

こういうとこだぞ、赤ん坊の生存率が激低な理由は!


俺の父、|百道丹波守三太夫《ももち たんばのかみ さんだゆう》は、伊賀の上忍だ。母の名は(かえで)。美人な母ってのは嬉しい。


そういえば神様が言ってたな――

「あなたの知っている歴史と、まったく同じではないわよ」って。


バタフライ効果だったっけ。何かのちょっとしたキッカケで揺らぎが起こるはずだから、前世とまったく同じ歴史をトレースするはずないし、できるはずがない。


そもそも、転生者を送り込んでるし……俺なんて、歴史の異物そのものでしょ。


まあ歴史の大きな流れが、概ね同じかなという程度だろうな。

前世の歴史の知識なんて、使えるかどうかわからないけど、使ったとしても、ここだという重要な局面で、1回か2回使えれば上出来だろう。


歴史の知識を持つ優位性なんて、その程度のものだ。

送り込んだ転生者が全滅するのは当たり前。


さて、伊賀の忍者組織は――

上忍の下に中忍(組頭)、その下に下忍(実働部隊)で構成されている。


伊賀国には小豪族が多数いて、一応守護もいるけど名ばかりのようだ。

実際に仕切っているのは、3人の上忍。


百道丹波守三太夫(うちのオヤジ)

|服部石見守保長《はっとり いわみのかみ やすなが》

|藤林長門守正保《ふじばやし ながとのかみ まさやす》


この3人が話し合って、伊賀国(小豪族の連合体)の運営をしている。

ちなみに「〇〇守」は自称だ。つまり勝手に名乗っている。

戦国時代アルアルだよ。


それぞれの勢力圏はというと――


オヤジは伊賀国の南側豪族を配下にしていて、その勢力圏は伊勢国と大和国との国境を持つ。そのため、北畠からの忍び仕事を請け負うことが多いらしい。だが、いつも偉そうな北畠家が大嫌いなようだ。


藤林は伊賀国の北側豪族を配下にしていて、その勢力圏は近江国との国境を持つ。六角家配下の甲賀忍びとも交流を持つ。たまに今川家の忍仕事を出稼ぎしている。今川家も気位がやたら高く、他の大名より忍びの扱いは悪いらしい。同じく今川家が大嫌いらしい。


服部は伊賀国の西側豪族を配下にしていて、その勢力圏は山城国と大和国との国境を持つ。将軍家である足利家の忍び仕事を請け負ったりしている。同じく扱いが最低の幕府が大嫌いらしい。


……伊賀の忍者は、どこの大名からも扱いが酷い。

そのせいで、伊賀の忍びは大名たちが大嫌いなのだ。


伊賀国はとにかく貧しい。


山間部のため平地が少ないし土地も痩せている。そのため作物の収穫が少なくなる。つまり嫌でも忍び仕事をやらないと食べていけない生活環境。下手すれば飢えて死ぬ人が出る過酷なレベルだ。


つまり、忍びは飢えずに生きるための手段なのだ。

仕事は諜報や破壊活動、命懸けの任務ばかり。


忍びには敵兵の撹乱や敵地の諜報収集など、(いくさ)に関連する仕事が多い。


ウルトラ過酷な仕事で死なないために、伊賀の子供は幼い頃から過酷な訓練を受ける。その中で攻走守を基本に様々な体術を身につけるのだ。


上忍たちはその伊賀流体術の達人で、一子相伝の秘技もあるとか。

……ちょっと興味はあるけどね。


でも、それにしても――過酷、過酷、過酷!

楽しいこと? ゼロだよゼロ。まったくなし。皆無!


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