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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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63話 神様も評価制度?

天文11年(1542年夏)――11歳


俺は道順と保正、藤吉郎、幸隆を連れてヨットハーバーに来ている。


目の前の海では、志摩の海賊たちがヨットの練習機を見事に乗りこなしている。ヨットが風上に向かってジグザグに進んでいる。さすが海賊、完璧だ!


海賊の順応力は凄いな。

若い海賊たちが口々に「この通り風上に進めます! この船は本当に面白いですぞ!」と自慢げにがなり立てている。


中でも特に元気のいい若い海賊の名前は九鬼定隆(くき さだたか)という。

九鬼嘉隆(くき よしたか)の親父だ。


これから作ろうと考えているキャラック船は、前世でプラモデルを買って、かなりの時間をかけて製作した経験がある。マニア向けの本格的大型プラモデルだったので、今でもその構造を細かくイメージできる。


“キャラック船”を、“至高の匠スキル”で作ってみよう。

……とはいえ、小さなヨットは作れたが、サイズが桁違いのキャラック船まで本当に作れるのか?


「そんな大きなものが、作れるわけありませんよ!」

――豊穣神様の言葉が聞こえてきそうな気がする。


以前、銃を作成しようとした時も「うどんセットぐらいしか出来ませんよ!」と言われ、愕然とした記憶が蘇る。


その時、いきなり神様の声が聞こえてきた。もちろん、頭の中にね。


『聞こえているわよ。それにしても……本当に、あなたたちが“日の本”と呼んでいるこの国だけどね……いったいどうなってるのかしら! 民はどんどん死んでいくし、幸福度なんてマイナスに張り付いたまま。上向く気配がまったくないじゃない!』


『それじゃあ管理者として困るわけ! 本当よ! さすがにどうしようかとタメ息ついてたんだけど……そんな時、伊賀と伊勢の民の幸福度がピョコンとアップしてくれたのは! とっても助かったわ……』


『おかげで私の評価が“現状維持”で済んでるしね! “大きいものは作れないか?”ですって? 私がパワーアップさせておいたスキルを舐めないでほしいわね。私は“神”よ? “神”にできないことなんて、あるわけないでしょ!』


『神様。至高の匠スキルで、大きな船を作りたいのです。構造はもちろん頭に入っています。大きな船は、伊勢の国を守ると同時に、交易を行って民を豊かにします。民の幸福度も、きっと上がりますよ!』


『大丈夫だって言ってるでしょ! どんどん作りなさいよ! どんどんね』


『ちなみに、至高の匠スキルで建物なんかも作れるんですか?』


『あなたに与えてるのは“神の力”の一部なのよ。どんどんやりなさいってば! 私が求めているのは“成果”なのよ。分かる? “成果”なの……! 民の幸福度を上げて、私の評価をどんどん上げるのよ。わかったわね!』


『神様を評価する、もっと偉い神様がいるんですね。大変ですね……。神様の評価が上がるように、頑張ります』


『うれしいことを言ってくれるじゃない。私の評価が上がれば、私のパワーが上がる。結果として、あなたに授けているスキルの力も強くなるのよ。わかったかしら? この理屈』


『ありがとうございます。頑張ります』


あれ。なんか静かになった。……もういない?

相変わらず、急に現れて、急に去っていくな。


それにしても……やっぱり相変わらずだな。

評価、成果って……なんか会社の中間管理職みたいだ。


神様の世界にも評価制度があるのか。大変だな。


神様の評価が上がれば、俺のスキルのパワーも上がるなんて……。

上司が偉くなると、部下の地位も上がるってやつか。


キャラック船を作っても、岸に接岸できないのは不便だ。

水深が十分な場所を見つけて、さっそく浮き桟橋を作ってもらおう。


作った浮き桟橋が波で壊れようが、気にしない。

次の建設に活かせる経験になるはずだ。とにかくやることが大事!


黒鍬善右衛門を、元気のいい九鬼定隆に手伝わせよう。

水深のチェックも必要だからな。


至高の匠スキルで作成した鉛筆と定規を使って、善右衛門が来るまでに浮き桟橋のイメージ図を描いておくか。


設計図が描けるということは、至高の匠スキルで浮き桟橋をそのまま作れるということになるんだけど……今回は黒鍬衆の経験値を上げることを優先したい。


全部俺が作っていては、技術の進歩がないからね。


この鉛筆は、至高の匠スキルで以前に大量に作成したものだ。

いろんなところで使えそうだと思ってね。


試しに職人たち、次に文官たちに配ってみた。


「筆の方が良いです」と言われるかと思ったが、予想に反して大好評。

墨を磨らずにすぐ描けるというのは、かなり便利なことらしい。


追加で何本も欲しいという要望が、あちこちから上がっているのだ。

毎度俺が鉛筆を作るのもアリだが、この時代の職人が自作できるようになってもらいたい。


技術の進歩が、いずれ機械文明の芽へとつながっていくだろう。

そこでまずは、墨を作っている職人に鉛筆の見本を渡し、芯の部分を試作させることにした。


まあ、気長に製造に成功するのを待つとするか。

うまくできたら、主上に菊のマーク付きの鉛筆を献上してみよう。

評判が良ければ、いろんなマーク付きの鉛筆を作るのも面白そうだ。


……まあ、それは開発に成功してからの話だけど!


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