表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/158

43話 北畠の敗因は?

天文9年(1540年夏)――9歳


伊賀軍本隊3,000人は、ついに伊勢へ到達した。

勘助の緻密な指揮のもと、田丸城、松坂城、木造城といった要所の制圧は、実に手際よく進んでいる。


北畠一族および一門衆は、すでにこの世にはいない。

あとは各城の接収を粛々と進めるだけだ。

抵抗の芽も、もはや残っていないだろう。


これらの(いくさ)の進捗状況は、俺がいる上野城まで“忍者速達便”で随時届けられている。


足の速い忍びたちを選抜して編成した、いわば“戦国情報伝達システム”――これが実に便利で頼もしい。


伊賀軍が北畠領を占領したという報が届と、城に残る家族や文官、武官たちの顔に安堵と歓喜の色が広がっていく。


「よかった……本当によかった……」

目に涙を浮かべながら、母や桔梗や桜たちが胸に手を当てて深く息をついた。


「伊賀は強い! 北畠なんかにやられはしない。」


そう言って笑いかけると、幸が駆け寄ってきて、俺の袴にしがみついた。

「兄さま、伊賀は勝ったの?」


「そうだ、家臣のみんなと兵たちがよく頑張ってくれたぞ」


まずはこの知らせを、いち早く村々に伝えなくてはならない。

北畠が攻めてきたことで、不安になっている人々を安心させる必要がある。


その後、城内の主だった面々を広間に集め、ささやかではあるが、勝利を祝う席を軽く設けた。戦はまだ続くかもしれないが――この日ばかりは、束の間の平穏を喜び合いたかった。


今回の(いくさ)の勝利は圧倒的だった。

北畠に完勝した伊賀に、そう簡単に手を出そうと思う者はいないだろう。

“伊賀は強い”という印象を、ヤクザどもにしっかり刻みつけることができたと思う。


だが、ただ喜んでばかりもいられない。

今回の敵である北畠家は、なぜ(いくさ)に負けたのか――その原因をしっかりと考察しておく必要がある。


何といっても、前世では俺はただの研究者であり一般人。

軍人ではないからね。


今回の(いくさ)では、北畠当主は序盤において、慎重に敵の出方や兵力を確かめる必要があった。しかし、伊賀を侮ったことで“いきなり総攻撃”という誤った判断をしたのだ。


家臣たちは当主の命令に命を賭けることが、忠義と考えている。

黙って当主の命令に従う。文字通り彼らは、当主の命令に命を懸けたのだ。


しかし、当主の間違った判断に対して、家臣はしっかりと諫言するべきだった。

(もちろん、そうされていたら伊賀軍は大いに苦戦したのだが……)


“算多きは勝ち、算少なきは勝たず”とか、“敵を知り己を知れば百戦危うからず”は、俺でも知っている“孫子”の兵法。

それ以外は知らないけどね……


“算多きは勝ち、算少なきは勝たず”は、“どれだけ準備したかが戦争の勝敗を決める”ということだ。


もう俺は準備しまくったからね。

銭も兵も、優秀な将も軍師も、武器もね。

北畠のことも調べた。準備は万端だったはずだ!


北畠はどうだ……伊賀を、忍びを、侮って何もしていなかったはずだ。

(いくさ)にかかる銭まで、商人からの前借りだしね。


“敵を知り己を知れば百戦危うからず”はどうだろう。

北畠は、(いくさ)を始める前に、伊賀について、何にも調査していなかった。


もし調査していれば、伊賀軍の保有する武器の危険さを知ることができたはず。

それに対する対応策も検討できただろうし、その準備をすることができたはず。


それに伊賀軍にとっての最大の弱点である――“今回の(いくさ)が、武将も、兵も初陣”だということを知ることができただろう。


俺なら、必ずその弱点を突いただろう。


また、銃に対しては頑丈な盾を用意するとか、爆弾に対しては、密集陣形を作らないとかね。少しでも伊賀軍の武器の優位性を少なくするべきだった。


つまり、北畠は負けるべくして負けたということだ。


とはいうものの、北畠が伊賀のことを調べようと思ったとする。

敵国を調べる専門家は忍者だ。奴らが手駒にしていた忍者は、まさに我ら伊賀忍者なのだ。


その伊賀忍者と(いくさ)をするのだ。伊賀のことを調べようとしても、調べられないのは当たり前か! しかし甲賀に依頼するという手もあったかもしれない。


いろいろ考えると……伊賀国の持つ最大の軍事的な優位性は、多くの忍びを活用し、“敵軍のことを徹底して調査できること”、そして“自国のことは一切調べさせないこと”のようだな。


この軍事的優位性は、今後も大いに活用すべきだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ