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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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36話 防衛戦 神童の檄

天文9年(1540年夏)――9歳


俺は仮住まいの屋敷から本丸に住まいを移した。

家族とともに、お城生活を楽しんでいる。


見晴らしの良い天守を俺の居室にしようと思ったが、天守への上り下りが大変なのですぐにやめた。

エレベータがあれば天守でも良いのだが……。


そろそろ来るかと思っていたら、北畠、長野、関を見張らせている忍びからの緊急連絡がきた。


ついに決戦だ。

伊賀が生き残り、“(いくさ)をなくし、民を幸せにする”という神様との約束を果たせるかどうかは、この一戦に掛かっている。


北畠軍がついに霧山城を出陣した。

またそれに合わせて長野家と関家も出陣した。


俺は丹田に力を込める。

各方面に軍令を発し、上野城に伊賀軍を総員集合させる。


天守前に4,500人の兵が整列しようとしている。俺が持つ兵力のすべてだ。

逆にいえば、彼らが敗れれば俺も家族も、皆が死ぬしかないのだ。

俺の後ろに、家族が不安そうに立っている。


前世の軍隊に似せた行進練習をさせているので、兵の動きが実にキビキビしていて壮観だ。兵を鼓舞するには儀式が必須。


「総員止まれ。かしら……前」の号令で、整列した兵たちが一斉に俺の方に注目する。皆が俺の言葉を期待し、注目が集まる」


俺は用意させておいた、大きなラッパ型の拡声器のところに移動する。

そして腹に力を入れて大きく息を吸い込む。


「伊賀の勇士たちよ! これより始まるは、我らが郷土・伊賀の、そして最愛の家族を守るための戦であ〜る……!」


「北畠の者どもは、今まさに、豊かになったこの伊賀の地に牙を剥き、攻め入ろうとしているのだ! お前たちの幸せな暮らしが、家族が、すべて踏みにじられようとしているのだぞ!」


「妻子はさらわれ、奴隷にされるぞ! 銭も盗まれ、家も焼かれるぞ!」


「この伊賀の地はいま、大きな危機に瀕している! 今こそ伊賀の民は立ち上がるのだ! 怒れ! 奮起せよ! 勇気を奮い起こせ!」


兵たちの表情が強張る。

まだまだ……この演説で鼓舞し、士気をMAXにしないといけないのだ。

それが俺の最大の仕事なのだ!


兵士たちが俺の次の言葉を期待し、ザワザワするが、静かになるまでしばらく待つ。


「伊賀の勇敢なる兵よ!」


「我らには神の加護があるのだ! 正義はこの伊賀にあり! 伊賀は無敵だ!」


「この大地を、家族を、未来を守るために——命を賭して立ち上がるのだ! そして、卑劣なる北畠を討ち滅ぼすのだ!」


俺は敬礼のポーズだ。

ヒットラーの決めポーズでも良かったのだが敬礼にした。


「うお〜! うお〜!」 

声で地面が震えている。


「伊賀を守るぞ! 家族を守るぞ!」


「伊賀に勝利を! 我らの誇りを示す時だ!」


暫くして天に届くかと思われる大歓声が起こる。

“忍者撹乱隊”に音頭をとらせ、アジってるけどね。

もう彼らのお手のものよ! いろんなところでやってるからね。


万雷のごとく響く雄叫びは、まるで山をも震わせるかのようだった。

兵士たちの足元を打つ鼓動のような地鳴りが、城の石垣にも伝わってくる。


兵士たち、敬礼の意味はわからないと思うが、特に違和感はないと思う。

神童ならそういうものだと思ってくれるはずだ。


俺の後ろに立つ家族たちも感動して、少し涙ぐんでいる。

伊賀は大名たちに奴隷扱いされてきた歴史があるから、いろいろ思うところもあると思う。


士気は高めるだけ高めた。

後は大太鼓を連打させて、兵士たちをいい気分にして、見送るだけだ。

頑張ってくれよ。伊賀の兵士たち。頼むぞ!


指揮官となる侍大将は馬に乗り号令を発する。

その後を兵が長い列を成して続いて行き、最後に輜重隊がそれを追いかけていく。


現代人の俺としては、(いくさ)にはあまり関わりたくない、というのが本音だ。その理由は、俺の命令で大量殺人が行われることに、自身の心が耐えられるかどうかが心配なのだよ。初体験だしね。


(大丈夫か俺の精神! 頑張れ俺の精神!)


とにかくこの一戦で、伊賀軍が強いことを近隣のクソ大名どもに示さないといけないのだ。ちょっとでも弱みを見せたりしたら、餓狼たちが次々伊賀に噛み付いてくるんだよ。


(いくさ)の責任者として俺も戦場に行くつもりだったのだが、オヤジたちや家臣一同から大反対された。

仕方なく留守番である。


俺が死んだらすべて終わるからだそうだ。

桔梗と桜、母は震える手で俺の手を握っている。


「伊賀軍は絶対負けないから安心しろ。勝って笑顔で帰ってくる兵たちを迎える準備でも考えておけ」と心配する家族を励ます。


握られている俺の手が震えないかだけが心配だった。


この人たちは俺が絶対に守らねばという気持ちが、(いくさ)で人を殺すことに対する忌避感を薄めていく。


(そうだ、殺らなければ殺られる!)

(まったく、とんでもない世界に放り込まれたものだ!)


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戦闘シーンなどのイメージ動画を、YouTubeで作成してみました。

物語の戦闘シーンを、映像と画像で楽しみください。


戦国NINJAストーリーズ 公式チャンネル

https://www.youtube.com/watch?v=yD9wINv_en4

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