27話 至高の匠スキルで武器製造
天文8年(1539年元旦)――8歳
戦国時代といえば、何といっても火縄銃だろ!
興味を持っていたので、前世でいろいろ調べた知識がある。ある程度、頭の中にリアルな設計図も浮かべることができるぞ。構造も簡単だしな。
だけど部品製造工程までは、今ひとつ不明だよな……
知識の抜け落ちは、“至高の匠スキル”が自動的に補完してくれるって、神様が言ってたし、なんとかなるっしょ。
火縄銃の構造を頭の中で整理し、『創造 火縄銃』と念じてみる。
「何かが、急に現れましたぞ」
お〜、イメージ通りの火縄銃が作れた!
(良かった! 火縄銃すら出てこなかったら、もう詰んでたからな!)
これは――ちゃんと“作った感”がある! 何か感動する!
火縄銃をもう1丁作ってみるか。
作れるのは1回だけとか、そういうオチはいらないからな……。
『創造 火縄銃』と再度念じる。
やっぱりちゃんとできているじゃないか!
さっきのものとまったく同じだ。
どうやら、作る材料は用意しなくてもいいみたいだな。
次はクロスボウを試してみよう。
クロスボウは前世で興味があったから、構造はバッチリ頭に入ってるからね。
ただし、材質はアルミやチタンやグラスファイバー。この時代には存在しない素材だけど、果たして作れんのかな?
ついでに、作る個数を指定できるか試してみよう。
クロスボウの構造を頭で整理し、『創造 クロスボウ 10個』と念じる。
無事にクロスボウが10個出現した!
「これは弩ですな。日の本でも昔は使われていたそうですが、今は見ませんな。理由はよく分かりませんが……」
「しかしこの弓、弦の両側に滑車がついていて、変わった形状ですね。弦を引くのにあまり力が要らないようですが、威力は強そうでもありますな」
「強力な弓だぞ。矢は遠くまで飛ぶし威力もある。近い距離なら鎧も貫通するほどの威力だ。普通の弓は何年も訓練しなきゃまともに扱えないが、これは短期間の訓練で素人でも的に命中させることができるぞ」
道順は弓を手に取り、じっと観察している。
「複雑な形をしている割には軽いですな。この滑車が強い力を出せる仕掛けなのですか。ですが、これを作れる職人は日の本にはいないでしょうな。当然、修理できる者もおりませんぞ」
「弓兵を大量に揃えて集団戦をするには、この方式の弓が最適なんだ! もし他の大名がこのような弩を使わないなら、これを運用できる伊賀は圧倒的に有利になると思う」
「道順、目の前に持ってきてくれ」
材質を確認する。至高の匠スキルは、この時代に存在しない材質のものでも作れるようだ。
(チタン製でもいけるのか? まあクロスボウは本命じゃないから、どうでもいいんだけど)
続いて『創造 矢 200本』と念じて、アルミ製の矢を200本作ってみる。
これも成功だ。
(便利だ! このスキル!)
「道順。この弓だがな、山に入って狩りをしておる者たちに、試しに使わせてみてくれ」
「できるだけ実戦に近い状況で撃たせて、威力や飛距離、扱いやすさなどを詳しく調べてほしい。弓としての性能がどれほどのものか、狩猟の現場ならよく分かるはずだ」
「もし可能であれば、私も1丁、頂戴してもよろしいでしょうか? 自らの手で試してみたいのです」
「もちろん構わない。むしろ歓迎するよ」
「それと、この弓を――山本勘助、工藤兄弟、森可行、藤堂虎高、それに島清国にも、それぞれ1丁ずつ渡してくれ」
「彼らはいずれも前線経験のある者たちだ。戦での使用を想定し、長所と短所の両面を冷静に見極めてもらいたい」
「どのような場面で使えるのか、逆にどんな状況では向かないのか――その判断が、今後の製造や改良にとって重要になる」
「それと、弓と矢を納める箱が必要だな。至急作らせてくれ。武器を納める蔵も必要だぞ。弓以外も作る予定だからな。その蔵とは別に、大きな蔵を2つ作っておいてくれ」
蔵ができたら、もっと大量に製造しよう。
そういえば、昨年から焼酎づくりを試行錯誤している。
ここらで、至高の匠スキルを使って小型と中型の蒸留装置を創造しておくか。
前世で飲んでいたような美味しい焼酎を作るのは難しいかもしれないが、酒精の強いものを好む大酒飲みには受けるかもしれないな。




