25話 戦国オールスターズ
天文7年(1538年秋)――7歳
伊賀の危機に加えて、自分たちが楽をしたい一心で、気合のリクルートをしてきたオヤジたち。
「疲れた! 疲れた!」とか言いながら、俺の前で酒を楽しそうに飲んでいる。
気分良さそうなところで……優秀な人材が確保でき……晴れて自由の身になれたら、何がしたいのか聞いてみた。
3人とも「伊賀流忍術を極めたい」のだそうだ。
「俺たちの夢だ」とカッコつけて言われてしまう。
そう言われちゃうとな……剣聖ならぬ忍聖を目指して下さい。
スカウト結果だが、森可行を無事ゲット!
仕えている土岐家が、“仕事はできない”、“家柄自慢しかしない”という連中で、いい加減うんざりしていたそうだ。
リクルート話は渡りに船、感謝感激でさっさと一族郎党でやって来るらしい。
支度金として100貫渡す話にも、大喜びだったそうだ。
本多忠高はダメだったそうだ。三河を離れたくないらしい。
(三河武士は特殊だからな! 三河郷土愛が強すぎるんだよ)
工藤兄弟、藤堂虎高、島清国も支度金100貫に感謝感激!
こちらも一族郎党でやって来る。
さらに村井貞勝と木下弥右衛門もリクルート成功!
秀吉くんをゲットなり!
信長くん、ごめんね。貞勝、秀吉、可成をもらいました。
ところで信長くん、俺の2歳下だから、まだ赤ん坊だよね。
(君を敵にするのが良いか? 味方にするのが良いか? 要検討なんだよね)
軍師枠の山本勘助もゲットできた!
就職活動がうまくいっていなかったみたいで、『今川がダメなら武田に行くしかない』とか思っていたらしい。危なかった……。
勘助も支度金もらって喜び勇んで、正直屋の船に飛び乗り伊賀にやってきた。
俺は目が回るほど忙しい。
挨拶も早々に上野城の建設を勘助に丸投げした。
怒るかと思ったら、本人は大感激!
大喜びで、上野まですっ飛んで行っちゃいました。
俺は前世でも日本の城にはあまり興味がなくて、全然調べてもいなかった。
だから、日本の城をどう作れば良いのやらサッパリ分からないのだ。
(西洋の城の方がグッとくるからね。西洋の城なら詳しいのだけどね)
とにかく1つ仕事が減った。
目出度い! 少し楽になった!
村井貞勝と木下弥右衛門には内政を見てもらっている。
弥右衛門さんはあまり期待してないんだけどね。今のところ悪い評判はない。
仕事が人を育てるのだろう。
「仕事が人を育てる」は、前世の勤務先でよく聞いたセリフだな。
まあ秀吉くんのお父さんだから、そこそこにはやってくれると期待したい。
もしもダメなら、鶏の世話でもしてもらえばいいしね。
森可行と藤堂虎高、島清国には軍事を丸投げした。
伊賀に来る流民たちに「常備兵になってくれる者を優先的に受け入れる。飯食わせて給金払うから常備兵にならないか」と言っているから、次々と希望者が増えている。
今では、約5,000人ぐらいになっている。
森可行と藤堂虎高、島清国には「5,000人を兵として使えるように、急いで訓練してほしい!」と命令しておいた。
兵士の装備が5貫/人かかるとして、5,000人で2.5万貫だ。
1人が年に一石を消費するとして、米代は5,000石……まあ銭ならいっぱいあるし何とかなる。
(伊賀は金持ちになったもんだ……)
武将3人組はいきなり1,000人を超える兵を指揮できることに舞い上がっている。
(この人達、こんなので舞い上がって大丈夫か? かえって心配になるぞ)
ところで勘助の方も5,000人の軍師やれんのかな?
(任せて人は育つと信じよう……)




