表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/163

18話 忍びの情報戦

天文7年(1538年 春)――7歳


伊賀は、だいぶ豊かになってきたな!


儲けの大黒柱は、米の買い占めと転売だ。

言葉にすると簡単そうに聞こえるけど、実際はそんなに甘くない。

買い占めには大量の銭が必要だし、予想を外せば大損する。


しっかり確実に儲けるには、まず各国に派遣している忍者調査隊からの情報がカギになる。


「どの大名がどこに攻め込むか」

(いくさ)になりそうな地域はどこか」

「昨年と今年の米の出来はどうか」――

そういった情報をいち早く入手するのだ。


忍者は元々、大名に雇われて情報を集めるプロだ。

精度も高く、情報収集のコツも心得ている。


そもそもこの時代、野盗や山賊なんて、そこら中にウヨウヨしている。他国との行き来だけでも命がけなのだ。そんな中、安全に情報を持ち帰れるのは忍者くらいのものだ。


ただし、持ち帰った情報をそのまま使うわけにはいかない。


「戦になる可能性はどのくらいか?」

「動員される兵の数は?」

そういった分析や予測が必要になる。


動員される兵の数で、用意する米の量も変わるのだよ。

籠城戦なんかは最高だ……米がいくらでも売れるからね。

こちらとしては大チャンスが到来する!


情報をいち早くつかみ、分析して意味のある情報に組み立て直す。

だからこそ儲かるのだ。


さらに、買い占め前に偽情報を流して米の価格を下げ、買い占めた後は別の偽情報で価格を吊り上げる――

それだけで利益は何倍にも跳ね上がる。


やり方が悪どい……?

ここは戦国時代だよ。きれい事だけじゃ、生き残れない世界なんだよ。


情報を制していれば、万が一損失が出そうになっても――

嘘の情報を流して、さっさと売り抜けることもできる。


そのためには、“ババを引かせる相手”をあらかじめ決めておく必要がある。

事前調査が重要。


「どんな偽情報が有効か?」

「どの商人に押しつけるか?」

つまり、“ババを引かせるリスト”の作成が大事。


もちろん、毎回同じ相手に押しつけてたらバレる。

ローテーションは基本だよ、ローテーションは。


堺の商人の皆さん、いつもありがとうございます。

皆さんのおかげで、こちらは毎度おいしい思いをさせてもらっています。


どうか――リスクヘッジ要員にされていることに、永遠に気づかないでください。

心より、感謝しております。


普通の商人がこれをやろうと思えば――忍者なんていないから、商人ネットワークから情報を買うことになるな。

港や大きな街には、もれなく商人たちがうようよいるからね。


でも、その情報って高いよ。しかも、間違った情報を掴まされたら大損確定。

やっぱり最後に頼れるのは、店主の勘と経験だろう。


リスキーだよね。一攫千金のチャンス……だけど、大金を投資して読みを外したら、破産一直線。

いやあ、商売って怖いねぇ。


今のところ、情報の分析はすべて俺の仕事。

面白くはあるけど、さすがに忙しい。

だから気の利いた若い忍びに分析のやり方を教えはじめている。


数学的な思考ができないと難しいので、適性のありそうな若者を選んで育てている。

数をこなせばそのうち慣れるだろう。とにかく早く育ってくれ。

でないと、俺が倒れてしまう。


だけどね、ここまで徹底してやってるからこそ――バカみたいに儲かるのさ!

苦労と悪知恵の結晶ってやつ。


***


さて、農業の方はというと――

米のほか、蕎麦と麦の作付けを進めている。


空き地はもちろん、山の斜面まで、植えられそうな場所には全部、作物を植えさせている。


最初は「余計な仕事が増えた」と村人たちはブーブー文句を言って、作付けを嫌がっていた。無理もない。これまでの農業は“やらされ仕事”だったからね。


気持ちの切り替えなんて、そう簡単にはできないのも仕方がない。


だから俺は、「これは豊穣の神様のお告げだ」と言うことにした。

この時代、神様が出てくると信心深くなるからね。すると途端に、みんな真面目に作業を始めてくれた。


蕎麦と麦は、年貢の対象からは外すことにしてある。

ただし飢饉対策として、収穫した分の半分は、強制的に各村で保存させている。


残り半分は俺が買い取る。これが農家にとっては貴重な現金収入になっている、というわけだ。


最初はあんなに嫌がっていたくせに、今では競うように作付けしている。


ようやく気持ちの切り替えができてきたのかもしれない。いい傾向だ。


やっぱりね――お金って、持ってみて初めてありがたみがわかるんだよ。

欲も湧いてくるし、それに比例してやる気も出る。服だって買えるようになるしね。


そうなれば、もっと稼ぎたくなる。

欲ってのは、悪いことばかりじゃない。活力になるんだ。


耕作にも自然と力が入るし、自分から工夫するようにもなる。

これまでの“イヤイヤ労働”とは、まるで別物だよ。


買い取った蕎麦や麦は、焼酎造りに使う予定だ。

伊賀の名産品になってほしい。


さて、大量に買い付けた牛や馬、鶏たち――

鶏は鶏舎で、牛や馬は牧場で、いま繁殖中だ。

まだ数が足りないから、食用は禁止。食うのはある程度増えてからだ。


いずれ南蛮人が貿易に来るようになったら、大型の馬を仕入れて、日本の馬と交配させるつもりだ。

軍馬用だ。大型馬での突撃――ロマンがあるね。


鶏舎や牧場の管理は、堺で奴隷にされていた人たちに任せている。

奴隷から解放されたことで、皆すごく張り切って作業してくれているんだ。

病気で弱っていた人たちには、俺の治癒スキルを使って治してあげたからね。


だから今でも、牧場に顔を出すと手を合わせて拝まれる。

ちょっと気恥ずかしいけど、まあ、悪い気はしない。


鶏舎や牧場の人たちは、本当によくやってくれている。

感謝しかないよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ