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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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158/246

158話 潔く腹を切れ

天文15年(1546年秋) ――15歳


勘助は中央での戦闘と並行して、爆弾クロスボウ隊200人に槍隊700人の護衛をつけ、本陣両脇から敵本陣を目指して進軍させていた。


そして、槍隊を護衛に付けた爆弾クロスボウ隊200人が、敵本陣まで榴弾が届く距離に近づくことができたようだ。


勘助は手旗信号で『敵本陣を殲滅せよ』と命令を出す。


ズドーン! ズドーン! ズドーン!

ズドーン! ズドーン! ズドーン!


榴弾200発が左右から敵本陣に降り注ぐ。

本陣が混乱に陥った直後、2回目の榴弾攻撃が加えられ、兵たちが次々と吹き飛ばされていく。


ズドーン! ズドーン! ズドーン!

ズドーン! ズドーン! ズドーン!


この2回目の攻撃を合図に、左右の槍隊700人が突撃を開始する。

敵本陣を守る兵が次々に倒されていく。


(いくさ)とは刀や槍、弓で行うものではないか? これが(いくさ)と呼べるのか? 卑怯であろう?」

 

(クソ! こんな(いくさ)で死にたくない!)

義賢は、自分の背骨が震えていることに気づいた。


「後はお前に任せる。撤退は絶対に許さんからな!」

そう怒鳴りながら、近くにいた家臣を掴んで命令する。


だが、言い終えるやいなや、親しい旗本衆だけを連れて観音寺城に向けて逃げ出した。大将が逃亡し、六角軍は完全に戦意を喪失した。


「大将が逃げたぞ? こんな(いくさ)があるか、やってられねえ!」


誰かがそう叫ぶと、堰を切ったように動揺が広がった。

武将も農民兵も、もはや誰の命令も聞かず、我先にと走り出す。


「もうそこまで敵が来てるぞ! もうダメだ!」

「観音寺へ逃げろ! 早くしろ!」


敵陣の混乱と崩壊を察知した勘助は、即座に工藤昌祐に命じた。

「総攻撃だ! 一人も逃がすな!」


北畠軍の兵たちが雄叫びを上げながら一斉に前進する。

逃げ惑う敵の背に、銃声が追い打ちをかける。


ダーン! ダーン! ダーン!


敵は観音寺城を目指して必死に逃走を図るが、秩序を失った軍は敗走するのみ。

追撃の刃が次々と振り下ろされ、次々討ち取られていく。


***


やがて、勘助の軍は大した時間もかけずに観音寺城を包囲してしまう。


日野城を囲んでいた兵も霧散していたため、そこにいた兵たちも合流し、観音寺城の包囲に加わってくる。

観音寺城に立て籠もる敵兵は、すでに1,000人にも満たない数となった。


勘助は観音寺城に対し、爆弾クロスボウ隊による攻撃を開始する。


ズドーン! ズドーン! ズドーン!

ズドーン! ズドーン! ズドーン!


間もなく、城門から一人の使者が現れた。

白布に包まれた何かを手に、震える足取りで勘助の前に進み出る。


「義賢の首にございます。これをもって、城内の兵の命をお救い下され……」


勘助は布を開かせ、その中身を見つめた。

血に濡れ、斬り口も乱れている。

見るからに醜い最期だ。


(無様な奴め……家臣たちに無理やり押さえつけられ、首を斬られたのだろう。先の(いくさ)でも、危うくなった途端に真っ先に逃げ出しやがって……)


(貴様の下した判断で六角家は滅ぶのだぞ。最後くらい、潔く腹を切れ……情けない男よ)


苦労人の勘助にとって、義賢のような人間は決して許せなかった。


「義賢の首だけでは承服できぬ。六角家の一族すべての首と引き換えであれば、降伏を受け入れてやる」


そう返答すると、半刻後には家臣が一族すべての首を持参してきたため、勘助は降伏を認めた。


その中には定頼の首もあった。勘助は定頼の首に静かに手を合わせる。

祝言の日に酒を酌み交わした記憶が蘇る。

近江の英傑・定頼の無念を思い、勘助はひとしきり涙する。


観音寺城を占拠した後、勘助は降伏した小領主たちに、彼らの留守を預かる者たちに宛てた降伏状を書かせた。

それらを藤堂虎高と工藤昌祐に持たせ、南近江の掃討戦を命じる。


勘助は俺の命に従い、“家臣には領地をもたせず、仕事と役職に見合った俸禄を払う”という北畠家の臣従条件に背く小領主は、すべて殲滅するよう虎高と昌祐に厳命した。


俺は、もし浅井家が文句をつけてくるようなら、浅井も潰してしまえと命じておいた。


小谷城は山城で難攻不落という前評判だが、それは兵が肉弾戦で攻めた場合の話である。爆弾クロスボウ隊による榴弾攻撃なら、一刻も保たないはずだ。


実際、浅井家はこの戦の混乱に乗じて、少しでも領地を掠め取ろうと狙っていたのだ。だが、六角家があまりに早く敗北したため、軍を出すに出せず、指をくわえて見ているしかなかったようだ。


幕府は六角家の滅亡を知っても、何もできなかった。

観音寺城に使者を送るも、いつものごとく足元に銃弾を撃ち込まれて逃げ帰るだけであった。


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