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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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140/220

140話 尾張の武将を束ねるには

天文15年(1546年春)――15歳。


北畠に問題がないわけではない。

玄武王がスカウトし、あるいは育ててきた武将や文官たちから、「玄武王のいる蝦夷国へ行きたい」と懇願されていることだ。


彼らが玄武王を“神”のように敬っているのは、俺もよく知っている。

……そりゃあね、自分だって本音を言えば、玄武王のもとへ行きたいよ。


面倒なしがらみなしで、新しい国を一から作り上げるなんて――

その方が、絶対に楽しいに決まっている。


だが、今このタイミングで彼らに蝦夷へ行かれては、正直困るのだ。

尾張の統治と改革は、まだまだこれからなのだ。

とはいえ、彼らの希望を完全に無視するわけにもいかない。


そこで、文官たちには「3年後に蝦夷へ行ってよい」と約束した。

その条件で半数には納得してもらい、今の任にとどまってもらったのだ。


3年もあれば、尾張の学校を卒業した若手文官たちが育ってくるはずだ。

早く育ってくれ――


文官の要である村井貞勝と、軍師・山本勘助だけは、何度も頭を下げ、お願いして残ってもらっている。ここに抜けられると、さすがに無理! お手上げだ。


そうそう――当然、尾張の武将や文官たちにも、頑張ってもらわなきゃ困るんだが……。正直、こいつら――頼りないし、やる気も薄い。


尾張という国は温暖で、米の収穫も多く、港も発展して商業も盛んだ。

一見すれば“良いことずくめ”の豊かな国なのだ。


でも――その分、人間ものんびりしてる。

考え方が甘い。いや、甘すぎる。


何よりも、“死ぬ気で頑張る”という覚悟が、圧倒的に足りない。

もしこれが平和な時代なら、それでもよかったかもしれない。

だが――今は違う。


周りを見れば、餓えた狼みたいな大名たちがうようよしてる。

こちらが少しでも隙を見せたら、あっという間に喰い尽くされる。

……そういう時代なんだ。


だから、のんびり屋の尾張衆にも、“本気”になってもらわなきゃならない。

さもなきゃ、国ごと食われるだけなのだ。


たとえば、甲斐は尾張とは正反対の環境だ。

頻繁に洪水が起こり、田畑は荒れ、領民も家臣も、生き延びるために命懸けで働いている。その覚悟は並大抵ではない。


単純に槍や刀を持ってぶつかれば、織田家など、武田家に簡単に叩き潰されるだろう。なぜなら――生きる覚悟が違うからだ。


では、そんな織田家の連中に、どうすれば“死ぬ気”で頑張ってもらえるのか?


――答えは、ただ一つ。

自分自身が、常に家臣たちに“畏れられ”、そして“期待される”存在であり続けること。その上で、奴らを徹底的に“競わせる”。……もう、それしかない。


このやり方、尾張の家臣たちには相当キツいだろう。

甘ちゃんが多いからな。少しは目を覚ましてくれればいいが……


ただし、この方法――

いちばんキツいのは、実は家臣じゃない。

弱音も愚痴も失敗も、一切許されない。

そう、“俺自身”なのだ。


何年もこんな状態を続ければ、先に病むのは――

間違いなく自分自身だぞ!


競争に精神を病んだ家臣が現れれば、最悪、後ろからブスリと刺されるかもしれない。……嫌な未来しか見えないな。胃が痛くなってきた。


だが、それでも今は――とにかく尾張衆のケツを叩いて、仕事を回していかねばならない。


まずやるべきは、尾張の家臣たちの“選別”だ。

“優秀”、“普通”、“ダメ”――この三段階で区分けする。

面談してじっくり見極めている余裕など、ない。


申し訳ないが――優秀な者には俸禄を倍増する代わりに、死ぬほど働いてもらう。

死ぬほど大変だが、地位も金も“望み次第”で与えるつもりだ。


競争と欲望で引っ張っていくしかない。

“ダメな者”を育てている暇など、ない。


ダメな奴は――俸禄を下げる。

それでもダメなら、降格、あるいは追放だ。


……こんなやり方をしていれば、家臣たちからは怖がられ、確実に嫌われる。

誰も俺と目を合わせなくなるだろうな。

辛い毎日になりそうだ。


本当は――玄武王のように、家臣たちと和気あいあいと働きたいのだ。

笑い合いながら、冗談を言い合いながら、それでもちゃんと結果を出していく。

――理想だよ。


ある程度やり遂げたら、優秀な後継者を見つけて――

「はい、後はよろしく」って言って、すっと身を引く。


なんで、すっと身を引きたいかって――

それは――玄武王に聞いたからだよ。


常夏の島、ハワイとかいう楽園があるらしい。

景色が美しくて、気候は一年中穏やか。

あるいは、金がゴロゴロ転がっているというアメリカとかいう大陸もあるとか。


……妻にはとても言えないが、

その“外国”には、金髪で青い目をした――

まるで神様のように美しい女性たちが、ゴロゴロいるらしい。


(何が悲しくて。こんな狭くて息苦しい“日の本”で、神経をすり減らしながら生きていかないといけないんだ!)


……などと愚痴をこぼしても、現実は変わらないな。

とにかく、目の前の仕事を片づけよう。


玄武王……よくこんな生活を、何年も続けてこられたものだ。尊敬します。


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