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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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123/198

123話 河東の戦火

天文14年(1545年初夏)14歳


蝦夷の火山灰問題も解決したことだし、次は政治だ。朝廷と敵対して建国するのか、それとも朝廷と良好な関係を保ちつつ建国するのか――どちらになるかは主上との話し合いの結果次第だ。


俺は日本丸30隻を率いて、伊勢に戻ることにした。

うち2隻はすでに先行して伊勢に向かわせてある。


蝦夷国では日本丸を新たに10隻ほど作成しておいた。10隻もあれば、たとえ南部家や津軽家が攻めてきても問題ないだろう。それに、幸隆と若手武将たちも蝦夷に残している。


オヤジたちと特殊部隊400名は、俺に同行してもらっている。主上との会談が控えているから、不測の事態に備える必要があるのだ。

特に俺の命がやばい……!


蝦夷からの移動は今回も順調。

風はあるが波は穏やかだ。


俺たちの船団は、中継基地である大島が見える海域を目指していた。

そして俺のそばにはウヌカルがいる。


また蝦夷には戻ってくるけど、伊勢で母と嫁たちに紹介しなければならないからだ。ウヌカルは船の揺れに強いようで、デッキから蝦夷以外の風景を眺めてご機嫌だ。


言葉も通じないのに、心配じゃないのかが気になる。

しかし、横を見るとうれしそうな顔をしているので少し安心した。


船の中では、俺とカタコトの日本語で長時間話しているおかげで、だいぶ意思疎通ができるようになってきた気がする。


先行させた2隻を含め、日本丸30隻には、蝦夷の海産物や毛皮などを満載している。これでまた儲けが出る。


実は、そのうちの1隻には石炭が積まれている。居残りの忍者が長老に頼んでくれたおかげで、アイヌの人たちが石炭を集めていてくれていたのだ。


これは別の目的に使う予定だ。

ただし、使うのは少し先になる。


日本丸のデッキから大島の港を見やると、そこにはたくさんの船影が並んでいた。

手旗信号が慌ただしく翻り、信長が日本丸20隻を率いて俺を待っていることがわかった。


俺の乗る日本丸が風を切って港内へと滑り込む。


大島の港では、北条氏康から俺宛に送られた“忍者特別速達便”の文を持った信長が待っていた。何かあったのだろうか? 気になる。



信長の話は――


今川・武田・斎藤・六角といった諸勢力の動向を探る“忍者調査隊”から、「今川家が北条家の実効支配する駿河東部――河東地方への侵攻を準備している」との報せが入ったという。


この一報を受け、勘助と信長は、北畠としての対応について協議を開始。


まさにその矢先、北条家から俺宛に風魔の“忍者特別速達便”が届く。


勘助と信長は、それが“軍事支援の要請”であると即座に判断。“忍者調査隊”からの情報と照らし合わせ、ただちに対応すべき案件と判断。


さらに、先行して伊勢に向かっていた日本丸2隻から「俺の帰国が間近」との報が届くやいなや、勘助と信長は即断で大島行きを決定。


信長は兵を4,000人乗せた日本丸20隻を率いて出港し、俺の判断を仰ぐべく、大島へと急行した。


――という内容だった。


さすが勘助と信長、判断力と行動力が抜群だ。頼りになる軍師たち。


信長が兵を4,000人連れてきたということは、六角や斎藤の動向を判断し、“領地から兵4,000人を抜いても大丈夫”と2人が判断したということだ。


この説明を聞いて「なんで、独断で大島に来たのだ! 領地は大丈夫なのか?」と言うような当主では、2人から愛想を尽かされるだろう!



北条家から俺宛の速達便の内容は――


『今川義元が、河東に兵を進めている。北条家としては、これを一蹴したいところだが、雪斎の謀略により、山内上杉氏の上杉憲政が、河越城に攻め込もうとしている』


『そうなると、河東に手が回らず、北条家はどうにも困った状態にある。我らを助けてくれると、誠にありがたい。婿殿、よろしく頼む』


――というものであった。


まず俺は、勘助と信長の的確な判断と迅速な行動を率直に称賛した。

“良い判断をした部下は、迷わず褒める”――それが人心掌握の基本だ。


そして次に、“蝦夷国の建国が無事に成功した”ことを報告すると、信長は顔をほころばせ、心から喜んでくれた。


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