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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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121/196

121話 蝦夷国の王

天文14年(1545年初夏)――14歳


「あ〜でもない、こ〜でもない」と悩みながら、宮殿周辺のインフラ整備を進めていたところ、アイヌの長老たちが揃って俺の元を訪ねてきてくれた。


俺が住む予定の宮殿は、行政機能も持ち、外交の場にもなる施設だ。内装は至高の匠スキルで迎賓館風にバッチリ整えたので、見た目もかなり“宮殿”らしく仕上がっていると思う。


トイレも水洗式にしておいた。

(といっても、用を足したあとに桶の水で流すタイプだけどね)

風呂も完備したぞ。


来年には妻たちにも来てもらう予定だから、気合いを入れて準備した。


「もうこんなに作ったのか」

「お前たちの技術はすごいな」

長老たち宮殿をキョロキョロ見渡しながら感心しきりだ。


「この建物が、こんな短期間でできるなら……農作物も大丈夫そうだな」と長老たちの賞賛の声。


(すみません……至高の匠スキルで作りました。チート技なのです)


「アイヌの生活は自然との共生が基本だと思いますが、もし我々の技術で役立つことがあれば、何でも協力します。我々も、自然と共に生きる知恵を学びたい。一緒に発展していきましょう」


通訳を通じてそう伝える。まあ、半分ぐらいでも伝われば十分だ。

すると、苫小牧のアイヌの長老が代表としてこう返してくれた。


「ありがたい話だ。それで、三蔵殿から伺った“共存共栄を実現しながら、新たな国を築く”という話だが。すべての長老たちが承認してくれた」


「この技術を見れば、その判断が正しかったと確信できる。我らと一緒にやっていこうではないか!」


(よっしゃ! やったね!)

(アイヌの知恵を生かして、自然と共に生きる国家を築こう!)

(日の本の手本になるような理想国家を蝦夷に作るぞ!)


その後、アイヌとの大まかな住み分けについても確認した。


“狩猟・漁業・生活の場である山・川・海”はアイヌが管理する。

自然と共生するには、彼らの知恵を生かすのが最善だ。

乱獲や乱伐で壊れた自然は、もう元には戻らないからね。


一方、“農業や牧畜を行う平地”や“交易を行う港”は、我らが管理する。

この役割分担を大枠と取り決めた。


もちろん、同じ国の中で別々に暮らすわけじゃない。

協力できることは協力するし、問題があれば話し合いで、一緒に解決していく。


まあ、そんなに単純な話じゃないとは思うけど……理想国家づくりって、いい響きだ。考えるだけでワクワクする。


ところで、アイヌのテリトリーって、北はどこまであるんだろう?

樺太くらいまでかな?

今はそれほど重要じゃないけど、落ち着いたら聞いてみよう。


そして、この日、最も重要な提案があった――


「侵略者からアイヌを守ること」

「有力長老の娘を妻にすること」


――この2つの条件を守ってくれるなら、俺に王になってほしいというのだ。


よっしゃ……待ってましたよ! その言葉!


「王として、この国の民を幸せにすることを誓う。これからよろしく頼みます」

長老たちに、力強く返答した。


「ウヌカル」と名乗る少女が、頬をほんのり赤らめながら、俺の手をそっと握ってきた。そして、たどたどしい日本語で、「ツマになる、よろしく……」と小さく呟く。


まだ幼さの残る顔立ちだが、色白の肌に整った目鼻立ち――将来はきっと、目を見張るほどの美人になるだろう。


俺は通訳を通して、ウヌカルに尋ねてみた。

「……俺の妻になるってこと、どう思ってる?」


もし彼女が、家族や一族の意向で無理やり押しつけられたのだとしたら、それはあまりにも気の毒だ。だからこそ、俺はその気持ちをちゃんと聞いておきたかった。


するとウヌカルは、頬を染めながら、はにかむような微笑みを浮かべ、静かに語ってくれた。


伊勢から戻ることのなかった“できちゃった婚”の忍たちが、残った地で暮らす中で、あなたのことを物語のように語って聞かせたのだという。


——伊賀という貧しい国に生まれ、わずか三歳にして“神童”と呼ばれた少年が、

飢える者のいない、豊かで平和な国を築いたこと。


——優れた者たちを集め、規律ある強い軍を育て、誰にも侵されぬ国を作ったこと。


——学校をつくり、子どもたちが文字を読み、数を学べるようになったこと。


——そしてついには、大いなる船を造り、この遥かな蝦夷の地へと至ったこと。


なかでも、彼女の心を深く動かしたのは——

“そのすべてが、神との約束。戦をなくし、民を幸せにする誓いを果たすため”という話だった。


ウヌカルは、そんな物語に心を奪われたのだという。


だからこそ——

彼女は“自らの意思で、あなたの妻になりたいと願った”のだと、

頬を染めながら、そっと静かに語ってくれた。


そして今回、長老たちが「この地の王になってほしい」と俺に申し出たのも——

その話を、耳にしていたからなのだという。


俺はその言葉を聞いて、心から安心した。

そして同時に、この少女を……ウヌカルを、

“妻として大切にしよう”と、強く思った。


ちなみに……既に4人の妻がいることについては問題ないそうだ。


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