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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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118/189

118話 道南十二館の制圧

天文14年(1545年・春)―― 14歳


「お前たちは、蠣崎家のような連中とは違うようだな。今の話が真実であり、我らと本当に共存共栄ができるのなら——共に歩む道もあるかもしれない。ただし、その判断には他の長老たちの意見も聞かねばならぬ」と長老は応じてくれた。


——胸をなで下ろした。静かにだが、確かな安堵が広がる。


長老はさらに言葉を継いだ。


「アイヌは、もともと狩猟を主とする民だ。山や川、そして海で獲物を追い、漁をして暮らしている。お前たちが住まう場所についてだが——我らの暮らしを妨げない平地であれば、どこに住み着いてもかまわぬ」


「ただし先に言っておく。この土地は痩せており、作物が育ちにくい。それでもなお住み、作物を育てるというのか?」


「我らには、そうした土地でも作物を育てるだけの技術がある」


「それは我らにとって、何よりもありがたいことだ。……どうやら、お前たちとは、本当に共存共栄が叶うかもしれないな」


長老の口元に、静かな笑みが浮かんだ。


「俺たちが本当にアイヌの味方であることを示すために、蠣崎家をこの地から排除しようと思うがどうだ? もし我らを仲間として認めてくれるのなら、これからは我らが、アイヌを外敵から守る盾となろう」


「それは、実にありがたい申し出だ。今のやり取りも含め、共存共栄の話はすべての長老たちに伝えるつもりだ。ただし、たとえ1人でも反対の声があれば、この話はなかったことになる。そのときは、どうか恨まないでほしい」


長老は、どこか申し訳なさそうな口調でそう告げた。


「もちろん構わない。ぜひ話を伝えてほしい。たとえ共存の提案が受け入れられなかったとしても、それについて不満を述べるつもりはないと約束しよう」


——そう言って、俺は渡島半島の方角を指さしながら、続けた。


「もし、共存共栄が叶うのなら、蠣崎家を追い払った後、あの半島の先に定住したいと考えている。仮にこの話がまとまらなかったとしても、そこに港を築き、アイヌの民と交易をさせてほしい。もちろん、常に公平な取引を行うつもりだ」


(この提案であれば、我々が蠣崎家に取って代わる形にはなるが、少なくとも農地の整備を進める分だけ、アイヌにとって不利益となることはないはずだ)


長老の表情から、警戒の色がゆっくりと消えていった。


「共存共栄が本当に叶うのであれば、今後は移住者を徐々に増やし、平地を開墾して農地を広げていきたいと考えている」


「その際には、アイヌの狩猟に支障が出ぬよう、最大限の配慮を尽くすつもりだ。もし何か問題が生じた場合には、その都度、話し合いの場を設けたい」


「そして我々が育てる農作物と、アイヌの方々が獲る獣の肉や魚、毛皮、燻製品などを互いに交換し合うことで、共に生活を築いていければと願っている。また、移住者の数についても、アイヌの暮らしに影響を与えぬ範囲に留めるつもりだ」


「それであれば、我々としても何の異論もない」

そう言って、長老の表情は柔らかなものへと変わっていた。


「まずは、我々の言葉が偽りでないことを示すためにも、明日、蠣崎家を渡島半島から排除する行動を開始する。長老たちからの良い返事を、心より待っている」


「ものども、明日は蠣崎家を蝦夷の地から追い出す。今夜はしっかりと英気を養っておけ」


「おお〜!」


翌日、俺たちは日本丸に乗り込み、30隻を率いて渡島半島の道南十二館へと向かった。海岸線に沿って慎重に進みながら、十二館と思しき構造物を1つずつ見つけていく。確認でき次第、グレネードランチャーと迫撃砲を用い、順に破壊していった。


砦の数を丁寧に確認しながら進み、最終的に12か所すべての館を破壊した。

あわせて、海岸に停泊していた小さい舟も、例外なく破壊しておく。


——悪いが、アイヌと争う蠣崎家には、蝦夷の地から消えてもらう。


その後、前世で「函館」と呼ばれていたあたりに、短艇(たんてい)を使って、武将と兵士2,000人、移住者100人、黒鍬衆300人を上陸させる。もちろん、食料も併せて搬入した。


まずは、森可成と工藤祐長に兵1,500人を預け、函館周辺の掃討戦を実施させる。真田信綱と嶋清興にも、実戦経験を積ませるため部隊に同行させた。……(戦闘を見るだけだ)


函館周辺の掃討が完了次第、引き続き道南十二館周辺に潜む蠣崎家の残党を制圧する方針だ。アイヌと敵対関係にあった蠣崎家の旧臣については、いかなる理由があっても臣従を認めない方針を伝えた。


問題は、道南十二館周辺に定住している人々の取り扱いだ。商人については、この地を離れてもらう方針とする。


農民については、もともと耕作に適さない土地であることから、その数はそれほど多くはないと見ている。職人についても同様だ。


彼らのうち、津軽への帰還を望む者については、商人とともに日本丸で送り届けることにする。


一方、渡島半島に残ることを希望する者には、函館に新たに建設する街への移住を促す。ただし、アイヌとの摩擦を避けるため、適切な再教育を施すことは不可欠だ。


函館に近い有力な大名としては、南部家と津軽家が挙げられる。無用な衝突は避けたいが、もし不用意に攻め込まれるようなことがあれば、断固たる対応を取らざるを得ない。


そのためにも、まずは相手の動向を慎重に見極める必要がある。念のため、“忍者調査隊”を派遣し、情勢を探らせておこう。


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