第8話『演劇?衣装?それより舞台が折れた件』
村祭りに向けて、子どもたちが“演劇”をやることに。
大道具係として任命されたガルドだったが、
そこでも筋肉が“災害級”の存在感を発揮する。
「ガルドさん、今年の村祭り、子どもたちの演劇があるんですよ!」
ミーナが嬉しそうに説明する。
「白雪姫」をベースにした、村オリジナルの劇だという。
「で……その舞台の設営係が、ガルドさんに」
「……なぜ俺に」
「“頼りになりそうだから”ですって!」
(※筋力的に)
かくして、ガルドは大道具班として召集された。
内容は、森の背景を立てたり、王子様の馬を作ったり――
「……木材、どれを使えばいい」
「えっと、こっちの軽いやつで……ぎゃあぁ!?ガルドさん、それ鉄柱です!!」
「軽い」
「一般人基準で喋ってくださいッ!」
しかし、本当の事件は――舞台設営の最中に起きた。
ガルドが支柱を立てた瞬間――
ミシッ、ドゴォン!
「舞台、崩れたーーーーー!!!」
「な、なんでッ!?今、何したのガルドさん!?」
「足を乗せた」
「乗せただけで瓦解するって何なんですか!?」
結局、ガルドの全体重に耐えられる強度を目指して、舞台は“石造り”に設計変更された。
結果、見た目は完全に“屋外闘技場”に。
「これ、白雪姫の舞台じゃない……!」
「……だが安全だ」
「安全だけどっ!!イメージが違うの!!」
さらに衣装係からの依頼も舞い込む。
「王子様役の剣、作ってもらえませんか?」
「よし、金属を叩く」
「ちょっと待って!?布製でいいんです!!」
最終的に、すべての小道具が“本物志向”になりすぎて、劇中で小学生がフルプレートアーマーを着込む羽目になった。
「動けません!!」「か、かゆい!!」
「演技とは、鍛錬だ」
「ちがうーーーー!!」
演劇舞台のつもりが、闘技場になっていた――そんな回でした。
ガルドの“常に本気”な姿勢が、今回も全力で空回りしつつ、
子どもたちの「いい思い出」になった……かもしれません(重すぎるけど)。
次回は、村に突然現れた“旅の吟遊詩人”との交流回。
無口な男とおしゃべりな詩人――この化学反応はいかに?
どうぞお楽しみに!




