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コードの向こう側 筋肉、時々メシ。  作者: たむ


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5/20

第5話『湯けむりと筋肉と、壊れた脱衣所』

戦士は温泉でも全力。

壊れた温泉の修繕を頼まれたガルドだったが――その筋力が、またも村をざわつかせる。

「ガルドさん、ちょっと困ったことがありましてな……」


村長ハンスが、いつになく深刻な顔で話しかけてきた。


「村の温泉の脱衣所が……老朽化で壊れちまっての。補修する人手が足りんのじゃ」


「……修繕、か」


ガルドは静かに立ち上がると、工具を手に取った。

何を隠そう、冒険時代には“戦闘用テント設営スピード最速記録”を持つ男である。


「任せろ。すぐに終わらせる」


その言葉に、村長は(若干の不安を感じながらも)うなずいた。


──そして数時間後。


「……うわぁぁ!? なんか要塞できてるぅ!!」


脱衣所だったはずの木造小屋は、ガルドの手により――

全身全霊の“耐攻撃型防御施設”に生まれ変わっていた。


屋根は鉄板、壁は丸太、扉には鋼鉄製のロックバー。

なぜか覗き防止に魔除けのルーンまで刻まれている。


「敵に侵入されにくい構造にした。温泉施設は、戦場だ」


「いやいやいや、リラックス施設ですってばあああ!!」


ミーナが泡を吹く中、村の子どもたちが目を輝かせた。


「うわー!これ、秘密基地だ!」「ここで寝泊まりしたい!」


「トイレもつけたぞ」


「完璧じゃん!!」


なぜか脱衣所が男子小学生の夢になっていた。

ちなみに、女湯側にはちゃんと普通の設備を用意しているあたり、ガルドなりの配慮もある。


「……これでよかったのか?」


「も、もういいです……!誰か止めてくれ……この筋肉の発想……!」


だが、夜になると――


村人たちが集まって、湯上がりに囲む焚き火と、温かい麦茶と、笑い声。

その中心には、無骨ながら器用にイスを直しているガルドの姿があった。


「……温泉、悪くない」


「うん、でも次は“普通の修繕”から始めようね?」

筋肉×建築は、時に予想を超えた創造を生む。

ガルド式“脱衣所要塞化”事件は、村の新名所として定着したとか。


次回は、村に現れた“野生のイノシシ”との遭遇回!

果たして、ガルドは肉にする前に話が通じるのか!?お楽しみに!

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