第4話『料理は筋力ではなく、繊細さでできているらしい』
筋肉で子どもたちを育てた男・ガルド。
次なる挑戦は――村の料理大会!?
果たして、包丁は握力で語れるのか!?
「今度の村祭りで料理大会があるんだよ、ガルドさんも出てみない?」
ミーナが持ってきたのは、一枚のチラシ。
“村人自慢の味自慢コンテスト! 優勝者には豪華賞品あり!”
「食は、生命の基本だ。……挑戦しよう」
「ほんとに!? ……って、包丁、ちゃんと持てます?」
「握力は問題ない」
「そこが問題なんですけどォォォ!!」
かくして――
ガルド、料理の世界へ初突入。
彼が選んだのは、得意料理(?)である“肉の丸焼き”。
「味付けは……塩。焼く。終わり」
「それ、料理じゃなくて儀式ですよ!?」
料理大会当日。
村の広場には、色とりどりの料理が並んでいた。
家庭の味、創作料理、果てはスイーツまで。
そして、その中に異様な存在感で君臨する――
「……骨付き肉……丸ごと一本……!」
見るからに“狩猟本能”を刺激するビジュアル。
ガルドのブースだけ、煙と肉汁のオーラが異常だった。
「うまい……!ワイルドすぎるけど、うまい……!」
「これ、キャンプとかで出てきたら絶対盛り上がるやつ……!」
味は豪快そのもの。
しかし、審査員長の村長がつぶやいた。
「ただし……盛り付け、ゼロ点。見た目、狩猟。」
そして、結果発表――
「優勝は……ミーナさんの“キノコとチーズのパイ包み”!」
ガルドは静かに拍手した。
決して悔しさではない。これは――敗北を認める筋肉の美学。
「ガルドさん、次はスイーツにも挑戦してみたら?」
「……砂糖、重いか?」
「重さの問題じゃないです!!」
料理は筋肉でどうにかなる領域ではなかった……!
でも、彼なりに一歩ずつ“村人らしさ”を学んでいます。
次回は――まさかの“温泉修繕”!?
筋肉と湯けむりの対決にご期待ください!




