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コードの向こう側 筋肉、時々メシ。  作者: たむ


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3/18

第3話『筋肉は一日にしてならず、だが三日で筋肉痛』

村に溶け込むガルド。今度は、子どもたちからのお願い――「強くなりたい!」

筋肉は裏切らないが、教育にはちょっとコツがいるらしい。

「ガルドさん、オレたちに筋トレ教えてくれよ!」


村の広場で遊ぶ少年たちが、キラキラした目でそう叫んだ。


どうやら村の子どもたちは、ガルドの“鍬を折る握力”や“素手で耕す筋力”に心を奪われたらしい。


「筋肉は、一朝一夕で得られるものではない」


「うんうん、知ってる! でもオレたち、夏までに腹筋割りたい!」


「お、おれは“背中で語る”男になりたいっす!」


なぜか筋肉に夢を見始めた子どもたち。

その情熱に押され、ガルドは静かにうなずいた。


「……よし。ついてこい」


そして始まった、“ガルド式筋肉錬成塾”。


まずは基本のスクワット。


「――百回」


「ひゃっ!? ガルドさん、何かの間違いでは……?」


「いいや。筋肉に妥協はない」


少年たちは震えながらスクワットを始める。

3回目で悲鳴、10回目で白目、30回で一名が消えた。


「ガルドさん、トレーニングって、楽しいものじゃないんですか!?」


「楽しいかどうかは、筋肉が決める」


少年たちは何も言えなくなった。


その後も続く腕立て、体幹トレーニング、背負い投げ(?)など。

最終的に彼らは、草むらで魂を抜かれたように転がっていた。


「……ガルドさん、これは……鍛錬じゃなくて修行です……」


「いい筋肉痛になる。明日も、同じ時間に集合だ」


「え、えぇ~~!?」


しかし――三日後。


彼らの背中はほんの少しだけ、たくましくなっていた。


「ねぇガルドさん……オレさ、昨日、妹の荷物持ってあげたら『かっこいい!』って言われた」


「オレも! 鍬がちょっと軽く感じた!」


「……それが筋肉の力だ」


ほんの少しの変化が、少年たちの顔を自信に変えていく。


「また、やるぞ」


「うん!」


笑顔で答える少年たち。

ガルドは小さく頷きながら、ふと空を見上げた。


かつて、自分が鍛えられたあの日々。

今はもう、守るためじゃなく、繋げるための筋肉なのかもしれない。


「……次は、持ち上げ訓練だ」


「それはやだぁぁぁ!!」

村の子どもたちにも筋肉が伝播していく――それは希望か、地獄か。

ガルド式トレーニングは厳しさ満点。でもその厳しさには、優しさがある。


次回は、ガルドと村の“料理大会”!

ついに筋肉以外の戦場が始まる!?お楽しみに!

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