第19話『山菜と筋肉と、自然への礼儀』
春の陽気に誘われて、村では山菜狩りが始まる。
香る若葉、芽吹く自然――だがその中に、
筋肉で斜面を登る男がひとり!? 今回も一味違います。
「ガルドさーん! 山に山菜取り行きませんかー!」
「……山か」
ミーナに誘われたのは、村の東に広がる小高い山。
この時期はワラビやタラの芽、ふきのとうなどが採れる名所らしい。
「でも、険しいですよ? 普通の人なら1時間くらいかかるんですけど……」
「30分で十分だ」
「いや競技じゃないんですよ!?」
とはいえ、その言葉通り――
ガルドは鍛え抜かれた脚力と肺活量で、山道を無音で駆け上がる。
ミーナたちが息を切らして登ってくる頃には、すでに頂上で仁王立ちしていた。
「……芽吹いている」
「ガルドさん、目が山菜モードになってる……!」
その後、山菜を見つけては丁寧に採り取るガルド。
──だがその手つきは、信じられないほどやさしかった。
「ふきのとうは、こう。根は残せ」
「えっ、知識ある!? しかもめっちゃ農家っぽい口ぶり!」
「……自然の恵みは、一度きりで終わらせるべきではない」
「ガルドさん、急に説法じみてる……!」
無言で山を下り、無言で山菜を洗い、無言で調理開始。
「……天ぷらにする」
「ちょっと待ってください、いつの間にか揚げ油出してませんでした?」
サクッ、サクッ……
香ばしい香りが漂い、山菜の天ぷらが次々と揚がっていく。
「うわあ、美味しそう……っていうか、プロ……」
子どもたちが集まってくると、ガルドは無言で山菜を配る。
「これ、ガルドさんが揚げたの!?」「うまい!!」「苦味がちょうどいい!」
「……山の味だ」
「名言すぎる……!」
その日、村の食卓には春の香りがあふれていた。
今回は“自然と向き合う”ガルドの静かな一日でした。
斜面も草も、彼の前では静かに道を開く――そんな野外戦士ぶりが冴えわたりました。
次回は、“子どもたちと春の運動会”!
筋肉vsこども、勝つのはどっち!? ほのぼの全開でお届けします!




