第18話『筋肉畑と、トマトという試練』
春の訪れとともに、村は農作業の季節に。
そこでガルドが始めたのは、まさかの家庭菜園!?
種まき、水やり、筋力全開の“野菜との戦い”が始まる。
「ガルドさん、畑……借りたんですか?」
「……余っている区画を任された」
村の裏手、日当たりの良い小さな畑。
そこに、ガルドは立っていた。
鍬を片手に、無言で土を見つめている。
「何を育てるんですか?」
「トマト、にんじん、じゃがいも……あと、きゅうり」
「……なんか戦時食みたいなラインナップですね」
耕す。耕す。ひたすら耕す。
土を砕く鍬の一撃が、まるで魔物退治の一閃のよう。
ミーナが見守る中、あっという間に畑は“軍用陣地”みたいな整然さになっていく。
「ガルドさん……家庭菜園って、もっとこう、ほのぼのしたイメージじゃ……?」
「……これは訓練」
「畑で筋トレしないでください!!」
──数日後。
芽が出始めた畑に、ミーナが差し入れを持ってくると――
「……これは」
「えっと、“話しかけると野菜がよく育つ”って言うんですよ」
「…………」
ガルドはしばし無言でトマトの苗に向き合い、そして――
「……出ろ。いや、出すな。伸びろ。止まるな。お前の限界はここじゃない」
「こわいこわいこわい! トマトにプレッシャーかけないでー!」
──さらに数日後。
村の子どもたちが畑を見に来て言った。
「ガルドさんのトマト、めっちゃまっすぐ伸びてる!」
「茎が太い! これ、筋肉トマトじゃん!」
「……無理をさせていないか、少し心配だ」
「どこ目線!? トマトに対して何その親心!?」
とはいえ、成果は確かだった。
初収穫の日――
「……これが、育った……」
そう呟いて、ガルドはひとつのトマトを手に取った。
少しいびつで、でも真っ赤で、重みのある実だった。
「ガルドさん、うれしそう……」
「……悪くない」
その日、村の食卓には“ガルド特製トマトスープ”が並び、
子どもたちにも大人気だった。
今回は、“土との戦い”という名の家庭菜園回。
黙々と土を耕すガルドの姿は、まさに農戦士。
けれど、トマトに宿った愛情は、きっと伝わっていたはずです。
次回は、“春の山菜狩り”!
筋肉で野山をかけめぐる、そしてまさかの山菜クッキング回!?
どうぞお楽しみに!




