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コードの向こう側 筋肉、時々メシ。  作者: たむ


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16/20

第16話『鼓動のリズムは、まだ不器用だけど』

あの吟遊詩人・トゥリオが再び村にやって来た!

今回は“村の音楽祭”が開催されるらしく、

なぜかガルドが打楽器担当に任命されるのだった――

「よぉ、岩のような戦士、再会だな!」


「……詩人」


村の広場にふらりと現れたトゥリオは、相変わらず羽飾りを揺らしていた。

手には琵琶、背中には旅の荷物。

今回の目的は――村の春祭りで行われる音楽祭への参加だった。


「でだ。今回は“打楽器”が足りないらしい。で、村の誰が最も重く強く正確に叩けるかと聞いたら、全会一致で君だった!」


「……筋肉を使うなら、反論はない」


「その発言がすでに武道家なんよ」


かくして、ガルドは大太鼓担当に任命された。


──第一リハーサル。


「せーのっ!」


ドォン!!!!!!


「村が揺れたーーー!!!」


「リズムじゃなくて地鳴り出してるよガルドさーーん!!」


「……力加減、難しい」


──第二リハーサル。


子どもたちと一緒に手拍子をとりながら叩くガルド。

だが無表情すぎて、誰も彼が楽しんでいるかどうかわからない。


「ねえ、楽しい……んですよね?」


「……無言でやるものではないのか?」


「顔、ちょっとだけ笑ってみましょうか……?」


「……これが限界だ」


(※目が1ミリ柔らかくなった気がする)


──そして、音楽祭当日。


村の広場には、にぎやかな音と人々の笑顔があふれていた。

ガルドは、巨大な太鼓の前に立ち、トゥリオの琵琶と子どもたちの笛に合わせ――


ドン……ドン……ドン……


一定のテンポで、確かなリズムを刻む。

それは、まるで鼓動のように。


ミーナがぽつりとつぶやいた。


「……なんだか、ガルドさんの音って、落ち着くなあ」


静かだけど力強い。ぶれない。温かい。

それはまるで、彼自身のようだった。


祭りの最後、トゥリオは言った。


「君はもう、立派な音楽家だ。無表情だけどな!」


「……楽器に表情はない。だが、伝わる」

音楽を言葉なしで伝える、それはガルドにぴったりな表現方法でした。

不器用でも、まっすぐなリズムは、人の心を揺らすことができるのです。


次回は、“村に届いた一通の手紙”が物語を動かす――

かつての知人、あるいは仲間から?

ガルドの過去に少しだけ触れる、しんみり回を予定しています。お楽しみに!

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